飼育・生体

マツカサトカゲの飼育方法【初心者向け】

マツカサトカゲは、オーストラリアに生息するアオジタトカゲの仲間です。ペット爬虫類としてはかなりレアな部類に入るので、とりあえずショップに行けば出会える種類という訳ではありません。

ごつごつした外見と珍しさに惹かれ、マツカサトカゲを飼育したいという方もいるでしょう。

この記事では、マツカサトカゲをペットとして飼育する方法を解説していきます。

  • マツカサトカゲとはどんな生き物なのか
  • 値段はいくらなのか
  • どうやって飼育するのか

こういった内容を紹介していきます。

マツカサトカゲとは

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photo by John

マツカサトカゲは、オーストラリアの内陸部に生息するアオジタトカゲの仲間です。オーストラリア州と南オーストラリア州でよく姿を見られます。

フォルムはほとんどアオジタトカゲと同じですが、そのごつごつした体表がマツの実に見えることから、マツカサトカゲという和名が付きました。英語圏では“Single back lizard”という名が通りが良いようです。

全長は最大で40cmほどになる中型のトカゲです。

マツカサトカゲの値段

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 photo by Laura Wolf

マツカサトカゲはショップへの入荷自体が稀なため、相場と呼べるほどのものはほとんどないようです。高額個体の場合は一匹60万円以上の値がつけられることも。

なぜこんなに価格が高いのかというと、オーストラリアの輸出規制が関係しています。

オーストラリアは国内の動植物を保護しており、野生動物の輸出には厳しい制限を設けています。そのためWC(野生下採取)個体は出回っていません

ブリーダーが繁殖させたCB(飼育下繁殖)個体が流通してはいますが、その絶対数はまだまだ少ないです。レア種のため、どうしても販売価格は高くなります。

マツカサトカゲの入手方法

マツカサトカゲを購入するには、基本的には爬虫類ショップに注文して入荷を待つのがおすすめです。

来店時にたまたま遭遇したり、稀にイベントで出品されていることもありますが、確実な方法とは言えないでしょう。

どうしても欲しい場合は、馴染みのショップに連絡して客注で取り寄せてもらうか、近隣のショップに在庫があるかどうか確認してみるのがおすすめです。

飼育に必要なもの

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photo by Ed Dunens

マツカサトカゲの飼育方法は、基本的にはアオジタトカゲに準じます。ここでは、マツカサトカゲの飼育に必要な用品を紹介していきます。

マツカサトカゲの飼育に必要なもの
  • ケージ
  • 床材
  • 水入れ
  • シェルター
  • 保温器具
  • バスキングライト
  • 紫外線ライト

順に見ていきましょう。

ケージ

マツカサトカゲのアダルトは最大で40cmほどの大きさになります。そのため、ケージも相応のサイズものが必要です。

具体的には、小さい頃は60cmケージ、その後成長に合わせて90cmケージとサイズアップしていき、最終的には120cmケージを使用できれば理想的です。

ただ、ケージが大きすぎても保温効率が下がるので、個体のサイズや運動量などを考慮しつつ適した大きさのものを選んでください。

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床材

マツカサトカゲの床材は、誤飲の心配が少なく清潔さを保てるものであれば、基本的にはなんでも良いようです。実際に飼育されている方は、ハスクチップ砂系の床材を利用していることが多いです。

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水入れ

大きめの浅い水容器を用意します。マツカサトカゲがひっくり返してしまわないよう、重さのある爬虫類用の水入れがおすすめです。

シェルター

ライトの光から隠れたり、ストレスの軽減のためシェルターを使用します。全身が隠れられるものを利用し、バスキングスポットから離れた位置に設置してください。

保温器具

ケージ内を保温するため、飼育には保温器具が必須です。適切に保温ができれば何でも構いません。保温球や暖突、セラミックヒーターなどが候補に入るでしょう。

ケージ内は、バスキングスポット以外の部分が20度〜28度程度になるようにします。ケージ内に高温部・中温部・低温部がそれぞれあれば理想的です。ある程度温度勾配を作るよう心がけてください。

なお、保温器具には、それぞれに特徴があります。以下の記事で紹介していますので参考にしてください。

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初心者でもわかる!爬虫類用ヒーターの種類と特徴 適切な器具の選び方ヒーターとしての爬虫類を健康に飼育する上で、温度管理は必ず必要になります。適切な保温で野生下の環境を再現することで、爬虫類達の健康を維持...

バスキングライト

太陽の下で生きるマツカサトカゲが日光浴をできるよう、バスキングライトを使用します。バスキングスポットの温度が35から40度程度になるよう調整します。

バスキングライトは飼育ケージの隅に設置し、ライトの下に岩などを置くことで下からお腹を温められるようにしてください。

紫外線ライト

マツカサトカゲの健康を維持するために、紫外線ライトは必要不可欠です。日中は爬虫類用の紫外線ライトを使用するようにします。

なお、紫外線ライトとバスキングライトの点灯は、タイマーで時間を管理すると楽です。

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マツカサトカゲの日々のお世話

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photo by Bernard DUPONT

マツカサトカゲの日々のお世話は、主に以下の三つを定期的に行います。

  • 餌やり
  • 掃除
  • 水換え

それぞれ頻度ややり方を詳しく確認していきましょう。

餌やり

マツカサトカゲの餌の頻度は概ね以下のとおりです。

ベビー:毎日から2日に1度
アダルト:週1回から2回

後述の餌の内容で、腹八分目を目安に給餌してください。

掃除

フンをした場合に適時行います。汚れた箇所を床材ごとすくって捨ててしまうと衛生的です。

月に一度は床材を全て交換します。

水換え

水入れの水はマツカサトカゲの飲み水になります。最低でも1日1回は交換するようにしましょう。

マツカサトカゲの餌

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マツカサトカゲは雑食のトカゲの一種です。餌の内容は、基本的にアオジタトカゲに準じます。

マツカサトカゲの食事
  • 野菜
  • フルーツ
  • 爬虫類用の肉(マウスなど)
  • アオジタフード

以上のものをバランスよく与えましょう。

給餌バランスは個体の栄養状態などにもよりますが、一例としてアダルトの場合は野菜を50%程度、残りの50%を肉やフード、フルーツで構成する方法があります。

たまに生卵や餌用カタツムリの缶詰などを与えても喜んでくれますよ。

マツカサトカゲはレオパードゲッコーのように尻尾に脂肪を蓄積できます。尻尾の太り具合を見つつ、肥満にならないようバランスを取ってください。

餌を与える際は栄養の偏りを防ぐため、カルシウム剤をダスティングします。

まとめ

マツカサトカゲは、丈夫で飼いやすく見た目も格好いい、非常に魅力的な爬虫類です。レアな種であることも手伝い、マニアからの高い人気を誇っています。

マツカサトカゲを入手する場合、最も確実なのはショップにお願いして取り寄せてもらうことです。また、SNSなどでも稀に入荷情報が出ていますので、確認してみても良いでしょう。

入手の難しさと価格がネックになりますが、予算に余裕がある方は挑戦してみてはいかがでしょうか。