飼育・生体

サバンナモニターの野生下の暮らしと生活環境

サバンナモニターは、初心者からマニアまで、多くのファンがいるオオトカゲの仲間です。きりっとした顔つきに反し、温厚で優しい性格を持っています。育て方次第で抱っこもできる人気のペットリザードです。

そんなサバンナモニターですが、野生ではどんな環境で暮らしているのかご存知でしょうか。

ペット爬虫類の野生環境シリーズ、今回の記事ではサバンナモニターにスポットライトを当てていきます。

「サバンナモニターは野生下でどんな暮らしをしているの?」
「サバンナモニターが肥満になりやすいのはなぜ?」

こんな疑問をお持ちの方は是非参考にしてください。

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サバンナモニターの生息地

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Photo by Benh LIEU SONG

サバンナモニターの野生での生息地はアフリカ大陸です。サハラより南側の多くのエリアに生息しています。

サバンナモニターと名前にあるように、主な生息地帯はサバンナです。その他、低木地帯や森林などにも生息しています。赤道に近い高温地域が彼らの主な生息環境です。トーゴやギニア、ナイジェリアなどアフリカ大陸の多くの国で生息が確認されています。

アフリカの多くの地域は、乾季と雨季が交互に訪れる気候です。食料の不足する乾季は休眠状態に入り、その分雨季に活動して脂肪を蓄えるという生活をしています。

故郷はアフリカ。乾季と雨季が交互に来る気候

サバンナモニターの生息地の気候

savamoni-su-dan-kiko - サバンナモニターの野生下の暮らしと生活環境

サバンナモニターの生息地の一つ、スーダンの気候を見てみましょう。

特徴的なのは降水量です。5月ごろから降水量が増え始め、9月をピークにした山形を示しています。一方、10月から5月までは雨がほぼ降らない厳しい気候です。

最高気温はどの時期も高いですが、最低気温との間にかなりの落差が見られます。特に11月から1月までは顕著であり、昼と夜の間に15度以上の気温差が出ることもあります。

サバンナモニターの野生での生息環境は相当に厳しいものだということが分かります。

参考:EL FASHER スーダン|気象庁 地点別データ・グラフ

サバンナモニターの野生での生活

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Photo by Lawrence Harman

サバンナモニターの野生での活動量は、季節に応じて全く違います。

雨が少なく獲物も取れない乾季、サバンナモニターはほとんど活動しません。穴ぐらなどに身を隠し、代謝を落として休眠状態に入ることで、厳しい乾季を乗り切ろうとします。この時期は、雨季の間に蓄えた脂肪が主なエネルギー源です。

サバンナモニターが活発に動くのは雨季です。この時期は、厳しい乾季に向けて脂肪を貯蔵するため、多くの獲物を襲って食べます

サバンナモニターは一般に肥満になりやすいと言われますが、厳しい環境に適応した結果だと考えられます。少しでも多く脂肪を貯蔵し、乾季に飢えで死ぬことがないように進化した結果です。

サバンナモニターの野生下での餌

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野生のサバンナモニターは、以下のような獲物を捕食しています。

  • カタツムリ
  • コオロギなどの昆虫
  • 小型の爬虫類や哺乳類
  • 鳥やその卵
  • ムカデなどの節足動物
  • 腐肉など

とりわけカタツムリや節足動物、昆虫類を多く捕食しています。

サバンナモニターは肥満になりやすい爬虫類として有名です。厳しい野生環境に適応した彼らの体は、餌が安定供給される飼育下では栄養を過剰に溜め込んでしまうからです。

拒食知らずで食欲旺盛なことも原因の一つです。アダルト以降も栄養豊富な餌を与えているとあっというまに太って体調を崩してしまうため注意してください。

参考:Savannah Monitor|LLLReptile

野生下の環境を再現する方法

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Photo by Michael Thielmeier

野生のサバンナモニターの生息環境を野生に反映させたい場合、気軽に検討できるのは以下の二点です。

  • ケージサイズを拡張する
  • 紫外線の強さを見直す

一つずつ詳細を紹介していきます。

ケージサイズを拡張する

アダルトのサバンナモニターの体長は80cmを超えます。ケージ内での飼育を中心とするのであれば、特注ケージの購入が必須です。市販品のケージは大きいものでも120cm程度であり、サバンナモニターを終生飼育するには狭すぎます。

大きいケージを用意できない場合は部屋を散歩できるようにすることをおすすめします。ケージは巣穴の代わりとして利用してもらい、室内で活動できるようにすると運動量を増やすことができます。

紫外線の強さを見直す

先述のように、サバンナモニターの故郷はアフリカ大陸です。野生では赤道に近い土地で暮らしているため、紫外線の要求量が多くなります。紫外線ライトは強めのものを選ぶようにしてください。

なお、生体が好きなタイミングで日光浴ができるよう、ケージ内にはかならずシェルターを設置するようにしましょう。

参考:UV指数|WHO

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肥満に注意する

野生下のサバンナモニターは、厳しい乾季を乗り切るため脂肪を蓄えやすい体をしています。大人のサバンナモニターであれば、昆虫やウズラなどエネルギーの少ない餌を選ぶのがおすすめです。

サバンナモニターのベビーはマウスを主食にするケースが多いです。しかし、成長が緩やかになった後も同じものを与えているとあっという間に脂肪を蓄え肥満になってしまいます。

大人になってからは餌は痩せない程度を目安に与え、太り過ぎには注意してください。

まとめ

以上、サバンナモニターの野生環境についてご紹介しました。

サバンナモニターは、乾季と雨季を繰り返すアフリカの気候の中で生きられるよう進化しました。そのため非常に脂肪を蓄えやすい体になっており、あっという間に肥満になってしまいます。飼育の際は給餌量の調整に注意が必要です。

サバンナモニターを飼育する上で、野生下の環境を知るのは非常に重要です。飼育環境を作る場合、野生での生息環境は基準の一つになります。

飼育環境を考える際は、是非今回の記事を参考にしてください。