飼育・生体

ミルキーフロッグの飼い方【人気の蛍光カラーの樹上性カエル】

カエルは、エキゾチックアニマルの中の一大グループを作っている種です。特に多湿系のカエルは見た目の美しい種も多く、愛好家達が日々飼育と観察を続けています。

そんな中で、独特の体色で人気なのがミルキーフロッグです。カエルの飼育を考えている人の中には、候補に入れている方も多いのではないでしょうか。

今回は、サイケデリックな色合いと仕草が愛らしい、ミルキーフロッグの飼育方法を紹介していきます。

  • ミルキーフロッグはどんな生き物なのか
  • どんな飼育環境を作ればいいのか
  • 飼育に必要なものは何か

こんな内容を紹介していきます。飼育を考えている方はぜひ参考にしてください。

Eye catch photo by Raita Futo

初心者向けにざっくり解説、ミルキーフロッグとは

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photo by Dick Culbert

ミルキーフロッグは、和名をジュウジメドクガエル(十字目毒蛙)と言います。その名の通り毒を持っており、外敵を警戒して皮膚から出す毒液をミルクに見立てて「ミルキーフロッグ」と名がつきました。

白から薄い水色の地の色に、ホルスタインのような黒い模様が特徴的です。

アマゾンなど、南米の熱帯雨林に生息する種であり、体調は最大で10cm程度です。歳を重ねるにつれて体が大きくなるため、高齢の個体ほど大型になります。オスとメスでは、メスの方が大きくなることが多いです。

ミルキーフロッグの値段

生体の価格は、個体の成長度合いや規制状況にも左右されます。2020年現在は一匹10,000円前後で販売されることが多いようです。

ミルキーフロッグの寿命

ミルキーフロッグの寿命は研究途上ではありますが、長生きしたものだと8年以上飼育されていた個体がいます。

ミルキーフロッグの飼育環境

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photo by Domenico

ミルキーフロッグの飼育環境は、基本的に他の熱帯系樹上生カエルに準じます。温暖な温度と高めの湿度を維持しつつ、蒸らさず風通しを確保することがキモです。

温度

ケージ内の温度は22度から28度程度に保ちます。壁面にパネルヒーターを貼り付けて温度勾配を作ってやると調子が良いようです。

湿度

熱帯雨林出身のカエルのため、湿度は高めに維持してください。湿度の数値化は難しいのですが、目安としては60%以上をキープすると良いでしょう。

ミルキーフロッグは多頭飼いできる

野生下でも複数個体が同じ場所で暮らしているため、飼育下でも多頭飼いできます。ただ、長生きすると大きくなる種なので、アダルトを複数個体飼育する場合は大きめのケージが必要です。

なお、発情したオスがしつこくメスにアプローチする場合は、メスの負担軽減のために分けた方が良いこともあります。

飼育のため用意するもの

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photo by Leszek Leszczynski

ミルキーフロッグの飼育のために、以下の用品が必要です。

縦長のケージ

樹上性のカエルなので、ある程度高さのあるケージを使用します。体の小さい頃なら大サイズのプラケースでも飼育できますが、大きくなると少々窮屈かもしれません。

カエルのサイズや数にもよりますが、おすすめは爬虫類用の縦長ケージです。グラステラリウムの3045サイズか、グラステラリウムナノが使用しやすいです。

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床材

床材は保湿性の高いものを使います。よく利用されるのはヤシガラ土絞った水苔などです。園芸用のヤシガラ土にバーミキュライトや腐葉土をブレンドしてオリジナルの床材を配合している方もいます。

カエルの様子と保湿性能を見ながら調整していくと良いでしょう。

水入れ

カエルの全身が入ることができる浅い容器を用意します。ケージ内が乾燥してくると水入れに入って体の潤いをキープします。

水入れは、カエルがひっくり返す心配がなく出入りのしやすいものであればなんでもOKです。

餌は個体のサイズにあった昆虫を用意してください。コオロギや小さめのゴキブリなどを利用できます。体が小さいうちは餌用ワラジムシやショウジョウバエなどを与えても良いでしょう。

登り木

流木や観葉植物は、カエルが休む場身を隠すシェルターにもなります。見栄えも良くなりますのでおすすめです。

保温器具

温度が低下する秋から春にかけては保温器具の導入が必要です。パネルヒーターを使用するか、それでも力不足であればエアコンでの保温を検討してください。

ミルキーフロッグの日々のお世話

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photo by Raita Futo

ミルキーフロッグを飼育する上で、日常のお世話は以下の三点が主になります。

ミルキーフロッグの日々のお世話
  • 餌やり
  • 水換え
  • 掃除

それぞれどう行えば良いのか、詳細を見てみましょう。

餌やり

ミルキーフロッグの餌やりは、カエルの成長度合いに応じて毎日〜週2回程度の頻度で行います。ベビーのうちは成長期のため、給餌は毎日腹八分目を目指して与えます。

餌にする昆虫は、栄養の偏りからくる体調不良を防ぐため、必ずカルシウムサプリメントを添加してください。

なお、コオロギは顎が強く給餌の際にカエルが負傷するリスクがあります。ピンセットの餌を食べる個体であれば、コオロギの頭を潰してから給餌するのがおすすめです。

水換え

水入れの水は毎日交換します。カエルは土や皮膚の毒で水を汚すため、水入れの水は傷みやすいです。最低でも一日一回は交換するようにしましょう。

掃除

排泄物の掃除は発見時、適時行ってください。ガラス面や植物の上に排泄することも多いので、霧吹きで軽く湿らせてティッシュなどで拭き取りましょう。

床材の上に落ちていた場合は周囲の土ごと捨ててしまいます。

霧吹き

霧吹きによる湿度の維持も飼い主の重要な仕事です。1日1〜2度を目安に行います。

湿度の目安としては、床材を手で握ったときに形が残る程度を目安にしてください。多湿過ぎても蒸れて体調を崩す可能性があるので注意しましょう。

ミルキーフロッグは触れ合いには向かない

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ミルキーフロッグに限った話ではありませんが、基本的にカエルは触れ合い(ハンドリング)には向きません。皮膚毒を持っている種が多いためです。

カエルに触った手で傷口や粘膜に触れると、強い痛みと炎症を引き起こします。毒が目に入り重症化した場合は失明の恐れもあります。やむを得ず素手で触った場合は、お世話終了後に石鹸で手を洗ってください。

また、人間の体温はカエルには熱すぎます。カエル自身にも良くないため、素手で触るのは控えた方が無難です。

まとめ

ミルキーフロッグは、その愛らしい見た目から人気の種です。どこのショップでも見られるカエルではないので、見かけたらラッキーかもしれません。

飼育する際は、皮膚毒には特に注意してください。不幸な事故につながる恐れもあるため、触れる必要がある場合は薄手の使い捨て手袋の使用をおすすめします。

ミルキーフロッグは上手く飼育すれば長い間共に暮らせる生き物です。きっと良い相棒になれるので、飼育を検討してみてください。