飼育・生体

ボールパイソンの野生下の暮らしと生息環境

ボールパイソンは、ペットスネークの中でも最もメジャーなボアの仲間です。うちでも飼ってるよ、という方も多いでしょう。

みなさん、ボールパイソンが野生下でどんな生活をしているかご存知でしょうか。ボールパイソンはCB個体が多く出回っているため、あまり産地や生息地域を意識することはないかもしれませんね。

ですが、ペット爬虫類が野生下でどんな生活を送っているかは、飼育環境を作る上で基準の一つになります。飼育者であれば一通り知っておいて損はありません。

今回の記事は、ボールパイソンの野生での生活環境についてです。ボールパイソンの生息環境の温度や獲物、生息地での活動まで解説していきます。

  • どんな飼育環境を作ればいいかわからない
  • ネットの情報は人によって意見が違って迷ってしまう
  • ボールパイソンの野生での暮らしが知りたい

こんな方には特におすすめの内容です。ぜひ参考にしてください。

ボールパイソンの代表的なモルフと購入予算については、こちらも参照してみてくださいね。

ボールパイソンの野生下の暮らしと生息環境 - ボールパイソンの野生下の暮らしと生息環境
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ボールパイソンの生息地はアフリカ西部〜中央

ボールパイソンの故郷は、アフリカ大陸の西部〜中央にかけての気温の高い地域です。主にサバンナや森林地帯、農村などで暮らしています。

ボールパイソンの生息地の一つ、アフリカのトーゴを例に気温を見てみましょう。
[togo_temprature]

トーゴは年間を通して気温が高く、最高気温が35度を超える日も多いです。6月〜9月までは比較的温度の低い時期ですが、それでも最低気温は20度を下回ることはありません。基本的には一年を通して日本の初夏〜盛夏ほどの気温だと考えて良いでしょう。

雨量には季節によって極端に差があり、7月から9月頃にかけては雨が多く、それ以外は降水量の少ない乾燥した気候です。

ボールパイソンの飼育環境を作るときは、現地の気温を参考にすると良いでしょう。

参考:地点別データ・グラフ トーゴ サンサネマンゴ|気象庁

ボールパイソンの生息地の環境

ボールパイソンが主に生息しているのはサバンナや森林、農村などです。

基本的にボールパイソンは夜行性の生き物なので、日中は巣穴で休んでいることが多いです。しかし、昼間も時折姿を見せることがあります。

メスは主に地上で生活することが多いですが、オスは木に登って暮らすこともあり、個体によっては半樹上性に近い生活になります。

飼育下で登り木を好むかどうかは個体差がありますが、使わなければ撤去するくらいの気持ちで入れてみることをおすすめします。

参考:Python regius Ball Python、Royal Python|ミシガン大学 Animal Diversity Web

餌はげっ歯類がメイン

野生のボールパイソンの餌は主にネズミなどのげっ歯類。ですが、木登りを好む個体の場合は鳥や巣のヒナも餌の一種です。農村近くで暮らす個体は畑を荒らすネズミをよく食べるため、農家の間では益獣扱いされることもあります。

移動速度はあまり早くはないため、獲物を追いかけ走り回るよりは待ち伏せ型の狩りが得意です。

野生下での環境を再現するコツ

ボールパイソンの野生下の環境を飼育下で再現するにはどうすれば良いでしょうか。

生き物には個体差や性格があるため、正しい飼育方法は飼い主それぞれが見つけなければなりません。あくまで野生下の環境に似せる、ということを基準にするのであれば、以下のような手段が考えられます。

  • 温度勾配をつける
  • 床材を見直す
  • シェルターを設置する
  • 登り木を設置する

詳細をご紹介します。

温度勾配をつける

ボールパイソンに限らず、爬虫類は暑いところと涼しいところを移動しながら生活しています。爬虫類は変温動物であり、自分で体温を調節することができないためです。

飼育ケースの中で温度勾配をつけると、生体自身で好きなところに移動し、体温調整ができるようになります。低温エリアは25℃〜27℃程度、高温エリアは30℃〜33℃程度を目安にしてください。

床材を見直す

飼育スタイルや生体のサイズとも相談が必要ですが、床材を見直してみるのもおすすめです。

本来は土の上を這っているいる動物ですので、床材を工夫するとより野生下の環境に寄せた飼育環境を作ることができます。ボールパイソンの飼育でよく使われる床材は、バークチップやウッドシェイプです。

以下の記事でも、爬虫類向けの床材の特徴を紹介しているので参考にしてください

[記事リンク]

シェルターを設置する

野生下では、昼間は巣穴にこもっていることが多いです。生体がとぐろを巻いた状態で、全身が入れるサイズのシェルターがあればストレスの軽減に役立ちます。こちらも設置に関しては生体の性格に応じて決定するのがおすすめです。

登り木を設置する

ボールパイソンは、木に登って鳥の巣を襲うこともある動物です。個体差はありますが積極的に立体活動を行うことも多いので、スペースに余裕があれば大きめの流木や登り木を設置してあげると良いでしょう。

まとめ

以上、ボールパイソンの野生下の環境と、飼育環境の見直しポイントをご紹介しました。

ペットスネークとしては非常に有名な種ですが、野生ではどんな環境で暮らしているのか知らなかったという方は多いのではないでしょうか。

爬虫類の飼育環境は人によって様々ですので、何を参考すれば良いか分からず迷ってしまうことも多いはず。野生の環境を知っておくと、飼育環境作りに困った時の指標になるので一通り勉強しておくことをおすすめします。以下、今回のまとめです。

  • ボールパイソンはアフリカの西部から中部の出身
  • 野生下の温度は日本の初夏〜盛夏と同じ程度
  • 夜行性でげっ歯類を主な餌にする
  • 環境を見直すことである程度野生の生息環境を再現できる

ボールパイソンを迎えたいけれど、どう環境を作れば良いか分からない。そんな場合は、是非今回の記事を見返して参考にしてみてください。

ライター:いちはら まきを
Twitter:@IchiharaMakiwo