飼育・生体

初心者でも飼える!二ホンアマガエルの飼育方法【樹上性カエル編】

庭先にいることもある二ホンアマガエルは、日本で最も身近なカエルの1つです。

子供の頃などには、興味本位でこの二ホンアマガエルを飼ってみたことがある人も多いのではないのでしょうか?

そんな身近なアマガエルですが、実は寿命まで飼える人はそう多くありません。

「いつの間にか死んでいた・・・」という経験がある人もいるのではないでしょうか。

カエルと言う生き物は非常にナイーブで、トカゲやカメなどの爬虫類と比べたら弱い生き物です。

管理の方法や扱い方を間違えると簡単に死んでしまうのです。

この記事では「二ホンアマガエルを一家の一員として寿命まで飼育するためのノウハウ」を詳しく解説していきます。

「イマイチ飼育方法がわからない・・・」

という不安をなくすため、

「ちゃんと飼ってるのに死んでしまった・・・」

という失敗を繰り返さないためにも、

最後までご一読いただけましたら幸いです。

 

二ホンアマガエルとは

ニホンアマガエルとは、北海道から九州に生息をしている夜行性のカエルことです。

気圧の変化に敏感で、雨が降りそうになると鳴きだすことから「雨蛙あまがえる」と呼ばれています。

アマガエル科はカエルの中でもっとも種類の多い科ですが、

日本に生息するアマガエル科のカエルは

  • 二ホンアマガエル
  • ハロウェルアマガエル

のみで、アマガエルと言えば基本的に二ホンアマガエルのことを指します。

二ホンアマガエルは日本各地で見つけられる一般的なカエルであるのに対して、

ハロウェルアマガエルは沖縄や奄美諸島あまみしょとうなどの離島にのみ生息するカエルです。

環境

アマガエルは野原、田んぼや畑などの植物が多い場所を好むため、

自宅の庭先にそうした自然が少しでもあれば、ひっこり現れることも少なくありません。

日中は葉っぱの上や生垣いけがき、細いパイプの中などで身を縮めて休息していますが、夜になるとエサを探して活発に徘徊はいかいします。

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特徴

大きさ

ニホンアマガエルの大きさは、20mm〜45mm程。

メスはオスよりも体が大きいです。

体の色を変えられる

アマガエルは、体色を大きく変えることが出来る珍しいカエルです。

日本人にとってはアマガエルの存在が身近過ぎて、カエルならどんな種類でも色を変えられると思いがちです。

しかしカエル全体でみると、体の色を極端に変えられる種類は非常に少ないのです。

暗い色〜明るい色程度であれば、変えられる種もそれなりに居ますが、

二ホンアマガエルの様に緑〜灰色、茶褐色などの、極端な変化が可能な種は限られています。

アマガエルは飼育下でも周囲の色あいの影響を受けて、灰色になったり緑になったりします。色の変化を楽しみたいときには、レイアウトやケージ周辺の色合いを調整してみましょう。
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アマガエルの体表には毒がある

どんなカエルでも、細菌や外敵から身を守るための防衛手段として、体表に毒を持っています。

アマガエルの毒は細胞毒性のあるヒストンH4というタンパク質のことで、細胞を溶かす働きがあります。(参考 Characterization of a hemolytic protein, identified as histone H4, from the skin of the Japanese tree frog Hyla japonica (Hylidae))

手で触っただけでは問題はありませんが、念の為、カエルを触ったあとには必ず手を洗うようにしましょう。

粘膜から毒性成分が入る危険性があるため、アマガエルを触った手で目を擦ったりしないほうがいい。また、触った手に傷があったりすると傷が悪化したりする。まして、口に入れたり食べたりするのはかなり危険な行為だ。 (参考 「アマガエル」の「毒」に要注意)

カエル本体のみならず、ケージやレイアウトを触ったときには、念のため石鹸で手を洗いましょう。

 

手を洗わずにうっかり目をこすったりすると、視力の低下などの重大な事故に繋がる可能性があります。

色違いのアマガエルもいる

アマガエルの中には、先天的に色素異常を起こしたものも存在します。

TVなどで良く紹介される水色のアマガエルもその1つで、

黄色の色素が産まれた時から欠乏していると真っ青な美しいカエルになります。

1匹でも色違いが見つかった周辺地域では、同じ年あるいは翌年以降も見つかりやすい

近年では品種改良の定番である、アルビノも良く見かけます。

アルビノは黒い色素が抜け落ちたために、目の虹彩も無くなり、血管が透けて赤目になるのが特徴です。

 

紫外線への耐性が極端に低いので、アルビノを飼育する場合は、UV付き蛍光灯を使うのは避けましょう。

アマガエルは通信販売で購入可能

哺乳類や爬虫類は対面販売が義務付けられていますが、

アマガエルは両生類なのでその必要がありません。

アマガエルはネットで購入をすることができます。

色違いのアマガエルを飼育したい方は、アマガエルの最盛期である6月〜8月頃に、大型オークションサイトでチェックしてみましょう。

販売価格

ニホンアマガエルは1匹約750円で販売されています。

アルビノや青いアマガエルはオークションサイトで、10,000円〜20,000円前後で購入できます。

樹上・半樹上性カエルの販売価格を確認する

エサ

二ホンアマガエルのエサは、基本的に生きた虫になります。

  • イエコオロギ(SS〜Mサイズ)
  • フタホシコオロギ(SS〜Sサイズ)
  • デュビア(SS〜Sサイズ)
  • レッドローチ(SS〜Mサイズ)

これらは一年中購入可能な、代表的な餌昆虫なのでお勧めです。

口に入る大きさの虫であればなんでも貪欲に食べるので、庭先で捕まえた小さな虫やクモなども利用可能です。

寿命

アマガエルの寿命は8年〜9年です。 (参考 http://genomics.senescence.info/)

自然界では天敵が多く長生きすることは珍しいですが、

飼育下では長い付き合いのペットとなります。

 

飼育方法

飼育に必要な飼育用品

アマガエルの飼育には、大がかりな設備は必要ありません。

  • ケージ
  • 床材
  • 水入れ
  • 観葉植物
  • パネルヒーター等の保温器具

最低限これだけあれば終生飼育が可能です。

ケージ

ケージのサイズは最低限20×15×17cm(幅x奥行x高さ)ぐらいあるものを使用します。

カエルは身体が小さいので、100円均一などでも売られている小さなプラケースでも飼えなくはありません。

しかし、飼育スペースが狭いと、清潔な環境を維持することが難しくなるため、必ず広めのケースを用意しましょう。

床材

床材は保湿効果のあるものであれば、どんなものでも利用可能です。

カエルを捕まえた場所付近の土を利用するのも良いでしょう。

ここでは

  • 爬虫類・両生類用のソイル
  • 底土
  • ウールマット

の床材を紹介します。

爬虫類・両生類専用のテラリウムソイル

床材として爬虫類、両生類専用のソイルが販売されています。

専用ソイルには、

  • バクテリアがフンや食べ残しを分解する
  • 透過性、通水性、保湿性に優れている

という利点がありオススメの床材です。

高級感のある多機能のソイル

底土(園芸用の黒土など)

握って軽く団子になる程度に湿らせて使います。

土はなるべく平たんになるように押さえつけて整地してください。

そうすることで餌昆虫が土の中に潜ってしまうことを防げます。

バクテリアによる自浄作用で、フンがある程度分解される
カエルが徘徊したときに壁面を汚され、見栄えが悪くなる
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ウールマット

床材には熱帯魚の飼育で使うろ過用のウールマットも使用できます。

ウールマットを使用する場合、ウールマットと同じ深さか、それより若干少ない深さで水を張ります。

また、ウールマットなどの人工素材を床材に使うのであれば、排便を確認次第すぐに取り除き、常に清潔を保ちましょう

常に綺麗な状態で飼えるので、鑑賞面では有用
自浄作用がないウールマットには、掃除を怠るとすぐにカエルが病気になるリスクがある

水入れ

カエルは水切れに非常に弱い生き物です。

水分がなくなると簡単に乾燥死してしまうので、必ず新鮮な水を常に用意しておきましょう。

容器は、カエルの全身が浸かれる深さと広さがあれば利用可能です。

水入れの中で糞尿をすることもあります。その時は発見次第すぐに水を取り替えます。

水入れの中にはフンの他に、体表の毒素、細かな老廃物や小便などが混入するので、最低でも3日に1度は容器を洗い、水を交換してください。

水入れを汚いとカエルの体だけでなく、カエルが張り付いた壁面も汚染され、病気になる可能性が非常に高くなります。

水の汚れは万病の元

観葉植物

観葉植物はなくても問題ありませんが、

観葉植物を利用すると

  • 鑑賞するときに綺麗に見える
  • カエルが落ち着ける隠れ家になる

という利点があり、多くの方は植物も一緒にケージに入れています。

ケージに入れる観葉植物は

  • 少ない光でも育つ
  • 多湿な状況でも育つ

という特徴を持つ植物を利用するのがオススメです。

具体的には

  • ポトス
  • フィロデンドロン
  • スパティフィラム
  • フィットニア

のような種類が適しています。

観葉植物は土に埋めずに、植木鉢ごとケースに入れるとメンテナンスが楽になる

エサの与え方

二ホンアマガエルには、頭の半分程度の大きさのエサを

1度に1匹〜3匹程度

週に2回〜3回のペース

で与えてください。

エサの大きさや与えすぎに注意

アマガエルに限らず、カエル類は基本的に食べられるときに食べるタイプの生き物です。

長期間の絶食に耐えられる反面、エサに遭遇したら無理をしてでも食べようとするため、注意が必要です。

大きすぎるエサや過度に給餌をすると

  • エサが喉につかえて息が絶える
  • 消化不良が原因で食中毒となって息が絶える
  • 食べすぎた分を吐き出したあと、体力消耗により消化不良を起こし息が絶える

などの事故が発生する可能性があります。

最適なサイズのエサを、適した量だけ与えるのが長期飼育のコツ

エサへの食いつきが悪いとき

アマガエルは夜行性のカエルなので、消灯前にエサをばら撒くのが最適です。

エサへの食いつきが悪いときが悪いときは、

  • 給餌の1時間〜2時間前に霧吹きをする
  • エサのサイズを小さなものにする
  • いつもと違う昆虫を与える

と、エサへの反応がよくなる場合があるので試してみてください。

ピンセットによる給餌

エサの昆虫はばら撒いて与えるのが基本になりますが、

1か月も飼育すれば生活音や人間の動きにも慣れる個体がほとんどです。

そのぐらいの時期から、ピンセットによる給餌を試してみましょう。

最初のうちは、コオロギの尻を摘まんで、そぉ〜と近づけてみましょう。

壁や草木に張り付いて休んでいるときより、

葉っぱの上でウロウロしていたり、地面に降りてエサを探しているときに試すのがベストです。

ピンセット給餌に慣れた生体は、冷凍コオロギなども食べてくれる可能性があり、エサの管理が楽になる

栄養面について

単一のエサばかり与えていると栄養障害を起こします。

可能であれば、様々なバリエーションの昆虫を与えましょう。

爬虫類・両生類用の各種サプリメントを利用したり、基本食となる餌昆虫を複数用意しておき、ローテーションで切り替えるなども有用です。

カルシウムを主成分にしたサプリメントは、

  • リン酸カルシウム
  • 炭酸カルシウム

のどちらかで構成されています。

可能な限りリン酸カルシウムではなく炭酸カルシウムが主成分の物を選ぶことをオススメします。

なぜなら、昆虫類にはリンが多く含まれているので、リンの過剰摂取になる可能性があるためです。

炭酸カルシウムは味が不味いのか、慣れていないと吐き出す個体も多く、絶対に炭酸カルシウムが良いとも言えません。

炭酸カルシウムを付けたエサを食べない場合は、リン酸カルシウムの商品で柔軟に対応しましょう。

温度・湿度について

温度は21〜27℃

国内に生息するカエルなので常温での飼育が可能です。適温は21℃〜27℃です。

高温には弱く、30℃を超えると明らかに調子が落ち、36℃を超えると死亡してしまう可能性があります。

また、20℃以下になると消化能力が極端に落ちるので、食べたエサを消化できずに死亡することもあります。

冬場に冬眠させないように飼育をするのであれば、パネルヒーター等で温めて25℃前後をキープしましょう。

30℃を超える高温、20℃を下回る低温に注意をする

湿度は50〜70%

湿度は50%〜70%を維持しておけば問題ありません。

水入れや霧吹きを使用して湿度を管理します。

ヒーターやエアコンによる保温は、多くの水分を蒸発させます。

冬眠させない場合は水分チェックを毎日行いましょう

お掃除・日頃のお世話

衛生管理と水分補給さえできていれば、1週間や2週間エサを食べなくてもピンピンしているカエルですが、

雑菌が繁殖してしまうと、あっという間に調子を崩してしまいます。

カエルを状態良く飼うコツは、衛生管理にかかっていると言っても過言ではありません。

あると便利な道具

カエルの飼育にあると便利な道具は、こちらに簡単にまとめてあるので、ご参考ください。

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フンのお掃除

排便が確認されたら、必ずその都度ピンセットで取り除きます。

カエルの飼育で一番かかりやすい病気である細菌感染は、カエルの内面を原因としたものではなく、周囲の環境からかかる病気です。

湿った環境で生活をしているカエルは、常に細菌と隣りあわせです。

普段なら共存できているバランスでも、フンを放置したり掃除を怠ると、簡単に共存のバランスが崩れてしまいます。

細菌との闘いは、目に見えないものとの闘いになりますが、その細菌の食料となる糞尿は目に見えるものなので、可能な限り取り除きましょう。

床材のお掃除

床材に土などの自然素材を使用しているのであれば1か月を目途に取り換え、

ウールマットなどの人工物を使用しているのであれば、3日〜1週間に1度取り替えるか、水洗いをしましょう。

アマガエルの移動

個体を移動させるときには、なるべく触らないことが望ましいので、

ピンセットなどで軽くお尻をつついて、網やプラカップ、紙コップなど移動用の道具に追い込み移動させましょう。

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注意点

二ホンアマガエルを飼う上で、注意したいことは

  • 生体の取り扱い
  • 多頭飼育
  • 壁面の汚れ

の3つです。

両生類を素手で触るのは厳禁

アマガエルに限らず、素手で両生類を触るのはご法度です。

カエルに毒があるからではなく、人間の体温が彼等にとって恐ろしい凶器になるためです。

変温動物の彼らにとって、36度前後ある人間の体温は高すぎるのです。

ヘビやトカゲのようなうろこがないカエルを触ることは、致命的な事故になりかねません。

どうしても個体を触る必要があるときには、

  • 水で手を十分に冷やす
  • 軍手や皮手袋などを装備する
  • 別の容器に追い込む

など、細心の注意を払ってください。

多頭飼育は面倒の元

アマガエルは大きさが近いメス同士であれば多頭飼育が可能です。

雌雄混合おすめすこんごうの場合、オスは年中無休でメスに包接ほうせつ(繁殖行動)を迫るため、メスにストレスがかかります。

また、体のサイズに差があると共食いをする可能性があるため、複数同時に飼育したい場合はメスのみで同サイズの個体で構成しましょう。

数が増えるとその分フンも増えてしまい、メンテナンスにかかる労力も増加します。

どうしても同時に飼いたい理由がない限りは多頭飼育を控えましょう。

壁面の汚れに注意

壁面は床材や脱皮の皮などでも汚れます。

壁に張り付くことのできるアマガエルは、糞尿が混入した水入れに浸かったあとに、壁に張りつくことがあります。

底面は床材のバクテリアによる自浄作用が期待できますが、壁面にはそうした自浄作用がないために、雑菌が大量繁殖しやすいです。

壁面や水入れのお掃除を怠ると、自家中毒や細菌感染等の病気に繋がる危険性があるので、お掃除は小まめに行いましょう。

水入れのお掃除を徹底し、ケージの壁面にも注意を向ける。

 

まとめ

アマガエルの飼育の注意点やコツは、各種ツリーフロッグを飼う上でも共通した部分が多いです。

アマガエルが正しい方法で飼育ができたら、他の外国産のツリーフロッグも飼育できると思って良いでしょう。

樹上性のカエル飼育の基礎を学べるカエルでもありますので、

「カエルを飼ってみたい!」

と思ったら、まずはアマガエルを飼育できるようになってから、他の種類の飼育を検討してみてもいいかもしれません。

  • 触ったら必ず手を洗う
  • エサは大きさ・給餌間隔に注意する
  • 糞尿の掃除はマメに確実に行う
  • 水入れは必ず設置し清潔に保つ
  • むやみに素手でカエルを触らない

ということに注意をしながら、飼育を始めてみてください。

以上、「初心者でも飼える二ホンアマガエルの飼育方法」でした。

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望月
この記事は爬虫類や両生類を繁殖し、卸・小売者を営んでいる灯間殿とうまでんの望月が執筆・監修をしています。