基礎知識

【爬虫類の生き餌まとめ】餌昆虫の特徴とメリット・デメリットを解説

昆虫食の爬虫類を飼育していて、餌選びに困った経験のある方は多いでしょう。餌昆虫にはそれぞれ特徴があり、用途も異なるためです。特に初めての爬虫類飼育だと、どの生き餌を選べば良いか迷ってしまうかと思います。

今回は、爬虫類の餌として利用される生き餌をラインナップし、それぞれの特徴を5つの項目で評価しています。生き餌選びの参考にしてみてください。

要約
  • 主食はデュビア・レッドローチ・コオロギ(イエコ・フタホシ)
  • コオロギは栄養バランスが良く嗜好性が高い
  • コオロギの鳴き声がうるさいと感じている人には、鳴かないデュビアやローチがオススメ
  • レッドローチは悪臭に注意
  • シルクワームは管理コストが高い
  • 嗜好性の高いハニーワーム・ミルワームは脂質が多い。おやつとするのが無難
  • 一番飼育がしやすいエサはミルワーム
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生き餌の特徴とメリット・デメリット

飼育の容易性を測る基準として、繁殖力・飼育コスト・匂いの少なさ・メンテナンス性・静かさで★をつけました。★評価の低い順にランキング形式でエサを紹介していきます。

★の数はそれぞれ

★☆☆☆☆=悪い
★★☆☆☆=やや悪い
★★★☆☆=普通
★★★★☆=やや良い
★★★★★=良い

です。

それぞれの昆虫の説明の最後には飼育・繁殖方法が記述されたページへのリンクが貼り付けてあります。そちらも合わせて参考にしていただければと思います。

5位 シルクワーム

評価項目おすすめ度
繁殖力★☆☆☆☆
コスト★☆☆☆☆
匂いの少なさ★★★★☆
メンテナンス性★★☆☆☆
静かさ★★★★★
★平均2.6

シルクワームは桑の葉かシルクメイトしか食べない超偏食であるため、他の餌昆虫に比べると管理コストが高くつきます。また管理の難易度も高く、雑菌に弱いためマメな掃除が必要です。繁殖は可能ですが、成虫まで育てる難易度が高いため、★1つとしました。

見た目はイモムシそのものであり嗜好性はかなり高いです。個体差はありますが、昆虫食の爬虫類であれば、ほとんどの種が抵抗なく口にするでしょう。

餌の性質上ガットローディングができず、主食として採用するには不安があります。ただ水分量は非常に豊富で、脱水気味の個体の水分補給に利用できます。

昆虫食の爬虫類を多頭飼いしている場合は、非常食として一定数をキープしておくのも良いかもしれません。

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4位 コオロギ

評価項目おすすめ度
繁殖力★★★★☆
コスト★★★★☆
匂いの少なさ★★☆☆☆
メンテナンス性★★★☆☆
静かさ★☆☆☆☆
★平均2.8

コオロギは栄養バランスが良く、主食として採用できることが一番のメリットです。維持にかかるコストも、専用フードを用意するなら別ですが、家にあるものを餌にするのであれば大してかかりません。

デメリットは臭いの強さと死にやすさ。湿気が溜まると独特のコオロギ臭を発するほか餌切れ・水切れに弱く、共食いを始め、最終的には大量死に繋がるため注意が必要です。

また、成虫になるとオスは求愛のため鳴くようになります。特にフタホシコオロギを数百匹単位で管理している場合、オスの鳴き声はかなりの轟音ですので、何かしら対策が必要となります。

鳴き声の対策ができ、かつ管理のコツが分かる人であれば、主力として使うことができるでしょう。

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同率3位 デュビア

評価項目おすすめ度
繁殖力★★★☆☆
コスト★★★★☆
匂いの少なさ★★☆☆☆
メンテナンス性★★★★☆
静かさ★★★★★
★平均3.6

デュビアは栄養バランスに優れているため、コオロギと同じように主食として採用できます。成虫はメジャーな餌昆虫の中では最大サイズのため、食べ応えはバッチリ。中型昆虫食の爬虫類におすすめです。

デメリットはゴキブリ特有の臭いの強さ。体感は人によって異なりますが、巷の評価はおおむね「レッドローチよりはマシ、でも臭い」というもの。ケージ内の乾燥に注意し、餌の食べ残しを放置しないようにすればある程度臭いは抑えることができるでしょう。

餌ゴキブリの共通点として、丈夫で維持自体は難しくありません。卵胎生の分、繁殖速度はやや遅めです。

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同率3位 レッドローチ

評価項目おすすめ度
繁殖力★★★★☆
コスト★★★★☆
匂いの少なさ★☆☆☆☆
メンテナンス性★★★★☆
静かさ★★★★★
★平均3.6

人によって好みの別れる餌です。かなり頑健なので維持管理は非常に楽で、一週間程度なら世話をせず放置しておいても数は減りません。

ただ、見た目がもろにゴキブリだという点と、ケージ内の環境によっては激臭を発する恐れがあります。乾燥気味に管理することと、野菜など植物質の餌をメインに与えることである程度臭いは抑えられます。

餌としての栄養バランスは良く、こちらも主食として機能します。デュビアほどは大きくならないため、レオパなど小型爬虫類の主食として活躍が可能です。

見た目に抵抗がなく、徹底した乾燥環境で維持が可能であればおすすめできる餌です。

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2位 ハニーワーム

評価項目おすすめ度
繁殖力★★☆☆☆
コスト★★★☆☆
匂いの少なさ★★☆☆☆
メンテナンス性★★★★☆
静かさ★★★★★
★平均 3.2

餌昆虫界の家系ラーメン。ステータスを脂質と嗜好性に振り切っており、主食として与え続けるとほぼ確実に他の餌を食べなくなる上、簡単に肥満になります。常食には不向きですので、ミルワームと同じように必要に応じて随時与えるようにするのが望ましいです。

管理のしやすさや臭いの発生については環境次第といったところですが、穀類と蜂蜜でできた培地で育てるため、多少の虫やカビの発生は覚悟しておいた方が良いでしょう。

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1位 ミルワーム

評価項目おすすめ度
繁殖力★★★★☆
コスト★★★★☆
匂いの少なさ★★★★★
メンテナンス性★★★★☆
静かさ★★★★★
★平均4.4

ほぼ無音無臭でメンテナンスも楽という飼い主に都合の良い餌です。ただ、栄養価は脂質に偏っており、主食として採用するには少々不安が残ります

海外ではレオパの主食として採用されていますが、カルシウムやビタミン剤のガットローディングとダスティングが前提となっているため、主食として真似はしない方が無難です。

独特のイモムシ的な動きが食欲をそそるため、食いつき自体は良好です。野菜でガットローディングした上で他の餌と混ぜて使うか、産卵や拒食などで体力を消耗した個体にカロリーを取らせるのに使うと良いでしょう。

ミルワームを長期間キープしたいときは冷蔵庫に入れて置くことができます。仮眠状態に入るため手間なしで数週間のキープが可能です。餌として与える24時間ほど前には常温に戻しましょう。ニンジンを与えると豊富なビタミンがガットローディングできるためオススメです。

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まとめ 状況に適した生き餌選びで個体の健康をキープ

以上、餌昆虫の特徴やメリット・デメリットをまとめました。生き餌はそれぞれに特徴や得意分野があり、適した使い方を知れば、大切な生体をより健康にキープできます。

生き餌選びに困った際は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。

ライター:いちはらまきを
Twitter:@IchiharaMakiwo

 

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