中型昆虫食爬虫類の餌として、ジャイアントミルワームを使用している方もいるかと思います。栄養価がやや脂肪に偏りがちですが、食べ応え抜群で嗜好性も良好な便利な餌の一種です。
今回はそんなジャイアントミルワームにスポットを当て飼育と繁殖についてご紹介していきます。
- 買ったジャイアントミルワームをキープしておく方法が知りたい
- ジャイアントミルワームの繁殖に挑戦したい
そんな方はぜひ参考にしてみてください。
ジャイアントミルワーム飼育の基本
ジャイアントミルワームは、昆虫としての本当の名前はツヤケシオオゴミムシダマシと言い、ミルワーム（チャイロコメノゴミムシダマシ）の仲間になります。見た目もほとんどミルワームを巨大化させたような風貌をしています。
(↓ミルワーム)
(↓ジャイアントミルワーム)
飼育方法ミルワームと共通した部分が多くほとんどは共通の設備で育成は可能です。
必要なものは以下の三つ。
- ケース
- 床材
- 餌
それぞれ解説していきます。
ケース
飼育ケースは脱走の隙間がなければ基本的には何でも結構です。手に入りやすさと扱い易さから、大きめのタッパーやプラケースで飼育している方が多い印象です。
ジャイアントミルワームはミルワームと比べると体が大きく、共食いの多い昆虫です。ケースを選ぶ際は、同じ数のミルワームを飼育する場合より大きいものを選ぶか、数を少なめにするようにしましょう。
床材
床材は植物質のものや穀類が原料のものであれば好みで選んで結構です。手に入れやすさと価格のバランスから、フスマや米ぬか・ラビットフードなどで育てている方が多いです。
ラビットフードやモルモットフードは消臭効果が期待できますので、同居の家族の風当たりが強い方など、臭いに気を配らなければならないのであれば、そちらを利用するとよいでしょう。
餌
ジャイアントミルワームのメインの餌は床材ですが、餌としての栄養価を高めるため、餌やりに使う前はガットローディングが必須となります。
ジャイアントミルワームは、野菜であればあまり好き嫌いなく何でも食べますが、水分が不足すると共食いをする習性があります。そのため水分を多く含んだ葉野菜を多めに与えるのがオススメです。
- 小松菜
- モロヘイヤ
- カブの葉
- 水菜
- ニンジン
等が与えられます。
なお、餌昆虫のガットローディングに使う野菜は間接的に爬虫類の体に入るものです。その観点から、餌昆虫に与えないほうが良い野菜を、以下の記事でまとめています。ぜひチェックしてみてください。
温度
コオロギなどと比較するとジャイアントミルワームはかなり丈夫で温度にもさほどうるさくありません。とは言っても、さすがに10度台などの低温で管理していると生育に悪影響が出ます。
理想的な温度は25度〜30度程度です。餌の食いつきも良くなりますので、 ジャイアントミルワームの成長が遅いと感じる場合は、一度温度を見直してみてください。
冬場にジャイアントミルワームを成長させたいのであれば、爬虫類用の温室に入れる・暖房を使うといった工夫が必要になります。
ジャイアントミルワームの繁殖方法
基本的にはジャイアントミルワームの繁殖はお勧めしません。ジャイアントミルワームは複数同じケースに入れていると、共食いを警戒して蛹にならないという習性があります。成虫にしようと思うと、個室に入れて羽化まで見張っていないといけないため、繁殖にこぎつけるにはそれなりに手間がかかるためです。
以下、それでも挑戦してみたいという方のために、具体的な方法を解説していきます。
成長してきたジャイアントミルワームを個室に移す
ジャイアントミルワーム脱皮を繰り返しながら成長していきますが、ある時点で成長が止まります。そうなると蛹になる合図ですので、 繁殖に使いたい部分だけ個室に移動させます。
繁殖用のケースは仕切りがあれば何を使っても大丈夫です。都合よく菓子箱の仕切りがあるなら、それが一番使いやすいでしょう。ちょうどカイコの蛹室のようなイメージになります。改めて購入する場合は、安価なピルケースなどを使うと、数・サイズともにぴったりです。
個室に移したジャイアントミルワームは、季節や温度にもよりますが、概ね1、２週間ほどで真っ黒な成虫になります。羽化した成虫はそのまま元いた床材に戻しておけば、 床材に産卵してくれます。
成長の飼育方法は幼虫と共通のもので構いません。
まとめ
以上、ジャイアントミルワームの飼育方法と繁殖について解説しました。以下、今回のまとめです。
- 床材は穀物系を好みで。ラビットフードなどは臭いを予防できる
- ケースはプラケかタッパーが楽。過密すぎると共食いするので注意
- 温度は25度〜30度程度
- 個室に入れないと蛹にならない。菓子箱やピルケースを利用する
ジャイアントミルワームは中型爬虫類のおやつとして大人気の餌昆虫です。興味を持っていただいた方、ぜひ飼育に挑戦してみてください。
ライター：いちはらまきを
Twitter： @IchiharaMakiwo
