モウドクフキヤカエルというカエルをご存知でしょうか?
南米に生息するヤドクガエルの一種で、小型のカエルです。
可愛らしい見た目と人への馴れやすい点、また丈夫で飼育しやすいことから人気のカエルです。
今回はそんなモウドクフキヤガエルの生態や飼い方について詳しく説明していきます。
目次
モウドクフキヤガエルとは
どんなカエル?
出所)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%82%A6%E3%83%89%E3%82%AF%E3%83%95%E3%82%AD%E3%83%A4%E3%82%AC%E3%82%A8%E3%83%AB
モウドクフキヤガエルはヤドクガエル科フキヤカエル属に属するカエルです。コロンビアなどの南米諸国に生息しています。
コロンビアの原住民は本種の毒を抽出し、吹き矢の先に塗って狩猟に利用しました。このことがフキヤガエルやヤドクガエルの名前の由来になっています。
モウドクフキヤガエルは触れるの?
名前が仰々しいカエルです。確かに野生下では強力な毒を保有しているため絶対に触ってはいけません。ただ飼育下では基本的に無毒です。理由は、モウドクフキヤガエルは餌(蟻などの虫)を食べることで体内に毒を蓄積しているからです。コオロギなどしか食べることのない飼育下においては毒はないとされています。
ただ、とはいえカエルを触ることはお勧めしません。皮膚が弱いので人の体温で火傷状態になるリスクがあります。あくまで観賞用ペットと考えましょう。
大きさや見た目
体長は4cm~5cmと、小型のカエルになります。
トノサマガエルが4~9cmとなるのでトノサマガエルより少し小さいカエル、と言えます。
体色は黄色がベースです。ただ、繁殖も盛んでありその中でミントと呼ばれるブルー個体や、足が黒くなっている「ブラックフット」などという品種が生み出されています。
2.モウドクフキヤガエルの飼育に必要なもの
飼育ケース
ケースを選ぶ際には以下の3つのポイントに注意しましょう。
・蓋がついていてしっかり閉じられるもの
・通気性の良いもの
・ケース内に水場と陸地をつくるスペースがあるもの
飼育ケースは水槽や虫かごなどを使います。
ジャンプ力があるので蓋がついていなければ簡単に脱走されてしまいます。
1匹飼いでも底面積と高さに余裕のあるケースを選びましょう。
また、カエルは通気性の悪い環境を嫌います。通気性の良いケージを用意しましょう。
カエルは水辺にいるので湿度が高い方がいいのではないか?と思われるかもしれませんが、適度な湿度にとどめることが重要です。
床材
飼育ケース内に敷いて使います。
床材には以下のものがよく使われています。
土 | 最も自然に近い環境になります。園芸用の腐葉土は安価で吸水性がいいので湿度を保ちやすかったり、余分な水を吸い取ってくれて便利です。 |
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ソイル | カエル用のソイルが販売されています。活性炭が含まれておりフンなどの臭いを抑えることができます。 |
キッチンペーパー | コストがかからず汚れが目立つので頻繁に変えることができますが、保湿を持続させるのは難しいです。 |
ウールマット | 安価で必要な分だけ切って使えるのでコスパが高いです。硬さによってはすぐに穴を開けられたりケガの原因になってしまいます。 |
水ゴケ | 園芸用品として販売されています。保水力がよく柔らかいのでカエルが脚をケガしにくいです。潜りやすいので冬眠にも向いています。 |
床材として使えるものはさまざまですが、湿度を保てることや素材の柔らかさなどの点から
土を使用するのがおすすめです。
カエル全般に言えることですが、モウドクフキヤガエルは乾燥に弱いためケース内の湿度には注意が必要です。
保湿するには床材に霧吹きをして水分を保たせます。
土であれば湿りやすいので湿度をより長く保つことができます。
また彼らがもともといた森林などの地面の雰囲気に近づけることができるので
土を使うことでモウドクフキヤガエルにとって過ごしやすい環境になります。
ただ土によっては保湿性が悪くすぐに乾燥してしまうものや農薬などを使用している危険なものもあるので、両生類飼育用に販売されている土を購入することをオススメします。100円ショップなどで安価に販売されている園芸用の土は農薬などによってカエルが体調を崩したり死亡してしまうリスクがあります。
水ゴケも、ケースの中に入れておくと湿度を維持しやすいです。乾燥して販売されている水ゴケを購入し、水につけてふやかした形で使用します。
ただ、しばらくすると乾いてしまうので定期的な霧吹きが必要です。また、しばらくすると汚れてくるので定期的に交換しましょう。
餌
モウドクフキヤガエルは肉食で自然では昆虫をメインに、バッタ、コウチュウ、アリなどの小型昆虫類、クモ類などを捕食しています。ただ、飼育するにはこれらの餌を採集する必要があるというわけではありません。むしろ、自然に生息する虫は何を食べているかわからないため生体にリスクとなる可能性があるため避けて方が良いです。餌用の昆虫を購入することをおすすめします。
最近では爬虫類や両生類を飼育する人が増えてきたので、ペットショップに行くとさまざまな餌が販売されています。
手に入れやすい餌は以下のようなものがあります。
コオロギ | メインでよく使われており、SS~Lサイズまで幅広いサイズ展開があります。ストックしておくにはコツがいります。 |
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ミルワーム | 冷蔵保存するので管理がとても楽です。あまり動かないのでエサ皿に入れても逃げずらく与えやすいです。 |
デュビア | 海外のゴキブリです。大きなサイズのものが販売されていることが多いでの購入時に注意してください。管理しやすく簡単に増やすことができます。 |
ワラジムシ | カルシウムが豊富です。他の餌より販売しているところは少ないかもしれません。 |
人工飼料 | 肉食魚用やカエル用の人工飼料を与えます。食べる個体と食べない個体がいるので、食べればラッキーくらいに思っておきましょう。 |
爬虫類や両生類を飼育している人の中で最も定番とされているのがコオロギです。
ペットショップやホームセンターで販売されていて簡単に入手できます。小さいサイズから大きいサイズまで多様なサイズのコオロギを購入することができるのでモウドクフキヤガエルの大きさに合わせた餌を用意することが簡単です。
ただ、コオロギは大量に購入して管理しておくことが難しいです。少し多めに買って家にある余った虫かごに入れておこう!と思うかもしれませんが、それが結構難しいのです。
コオロギは意外にも繊細でストレスに弱いので、ちゃんと管理しなければすぐに死んでしまいます。飲み水がなくなったり、湿度が高すぎたりすると大量死していまいます。ピンセットから食べてくれる個体であれば冷凍コオロギや乾燥コオロギを使用するのも有効です。ただし、個体によって好き嫌いがありますので全ての個体に使える餌ではないことは注意してください。
餌になる虫の管理までする自信がないという方はミルワームがおすすめです。
カップにたくさん入っており冷蔵庫で保存すれば餌を与えなくても管理できるため、管理がとても楽です。ただし、「ジャイアントミルワーム」という名前で販売されている種類はモウドクフキヤガエルには大きすぎるため「ミルワーム」を購入しましょう。
またデュビアも管理が簡単です。小さい個体が販売されていないことがありますのでその点だけ注意ですが、耐久性が高く・様々な餌を食べてくれるので多く買って管理しておく、というのが向いています。
ワラジムシは少し高額で販売している場所も少ないですが、嗜好性が高いのでおすすめの餌です。また管理も難しくありません。オークションでは定期的に販売されているので購入しやすいです。
ただどの餌を与えるにしても、栄養剤を必ず添加するようにしましょう。
栄養剤にはモウドクフキヤガエルの成長に必要なカルシウムやビタミンが含まれています。
餌となる昆虫にまぶして与えましょう。
もしくはガットローディングという手法を活用しましょう。こちらは餌となる昆虫に高栄養の餌を与えることで栄養価値を高める手法です。ガットローディング用に、昆虫用の餌が販売されていますのでそちらを購入して与えるのが良いです。
レイアウトを楽しんでみよう!
出所)https://remix-net.co.jp/?p=409950
飼育に慣れてきて飼育ケースのサイズに余裕があれば、レイアウトを楽しんでみませんか?
具体的には植物や木の枝などを入れてより自然に近づけた環境を作ります。100円ショップで販売されている人工の葉などを入れれば、管理することも容易です。
・植物は丈夫なもの、もしくは人工植物を選ぶ
・木や枝を入れてみる
モウドクフキヤガエルにとっては隠れる場所が増えストレスが減ったり、自然下に近い環境になることで湿度管理がしやすくなり、より飼育しやすくなります。
また枝などを入れると登る姿が見れたり、水場に置けば掴まることもできます。
3.基本的なお世話
モウドクフキヤガエルを飼育する上で気を付けるべきことは以下の4点のみです。
・餌やりは2~3日に1回
・フンなどの汚れはすぐに取り除く
・霧吹きで湿度を保つ
・温度は25℃程度を保つ
まだ幼い個体であれば毎日か1日おきに与えます。
成体は与えすぎると肥満になってしまうので、2~3日に1回にします。
ピンセットで1匹ずつ与えてもいいですし、ケース内に放って食べさせてもいいです。
その場合食べ残した餌はそのままにせず回収しましょう。
ピンセットで餌を与える場合、最初から食べてくれる可能性は低いです。まず飼育環境に慣らし、人を見ても逃げないようになってからチャレンジしてみましょう。
餌やりの後はフンをしていないかよく観察しましょう。
見つけ次第すぐ取り除きます。
床材はできれば1か月に1回交換しましょう。床材は最低でも定期的な水洗いをすることで、汚れを取り除きましょう。両生類は皮膚が弱いため、汚れが多くなると皮膚病になるリスクが高まります。
湿度を上げるための霧吹きの目安は1日2回です。
季節によってはすぐに乾いてしまうかもしれないので、様子を見ながら回数を変えます。
そして最後に温度です。モウドクフキヤガエルは暖かい地域に生息するカエルなので、温度を高く維持するようにしましょう。温度維持にはパネルヒーターを敷くなどの方法があります。
なお、日本の夏はモウドクフキヤガエルにとって熱くなりすぎる危険性もあります。温度計を置いておき定期的に問題ないか確認するようにしましょう。
4.モウドクフキヤガエルを購入しよう
販売されている場所
・総合ペットショップ
・ホームセンター
・爬虫類専門店
・爬虫類イベント
総合ペットショップには爬虫類・両生類コーナーがあるところが多く、飼育用品や餌も販売されています。
ホームセンターでも近年では爬虫類・両生類を販売しているところが増えています。しかし店員さんがカエルに詳しいかどうか、また飼育用品が充実しているかどうかはお店によるところです。ペットショップと比べると取り扱っている種類は少ないかもしれません。
初心者の方は爬虫類専門店で買うのをおすすめします。飼育に詳しい店員さんがいて飼育用品も揃ってあるので安心して購入できます。
爬虫類イベントではお店よりも安く購入することができます。イベントで購入する場合は、事前に飼育用品を揃えてセットしておくべきです。また混雑している場合は店員さんに話しかけづらいなどの心配点があります。
モウドクフキヤガエルの価格
モウドクフキヤガエルの価格は2万円〜3万円ほどです。ミントなどの変異個体の場合もう少し高くなります。
5.モウドクフキヤガエルを飼ってみよう!
モウドクフキヤガエルについて生態や飼い方を紹介しました。
簡単に飼育することができるので、ペットを飼育したことがない方にもおすすめです。
飼育する場合にモウドクフキヤガエルが安心して過ごせる環境を準備してから
迎えるようにしましょう。
またお世話はそこまで大変ではないので欠かさないようにしてください。
興味を持った方は、是非飼育にチャレンジしてみてください。
モウドクフキヤガエルの寿命は5~10年と言われています。長生きのカエルです。
飼育するのであれば最後までしっかりお世話してあげましょう。
また下記のページも飼育の参考にしていただければと思います。