これから飼育を始める人向け

セイブシシバナヘビってどんな蛇?特徴や飼い方を詳しく解説!

セイブシシバナヘビという蛇は爬虫類の中でもかなり人気があります。可愛らしい顔と綺麗な体色、またその飼育しやすさから多くの愛好家がいます。

今回はそのセイブシシバナヘビについてどんな生き物なのか、基本的な生態や飼い方について解説していきます。

飼い方を学べば初心者の方でも飼育することができます。
爬虫類の飼育に興味のある方は、是非この記事を参考にセイブシシバナヘビの飼育にチャレンジしてみてください。

1.セイブシシバナヘビとは

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出所)https://snakesatsunset.com/het-lavender-western-hognose-snakes-heterodon-nasicus/

セイブシシバナヘビは北米大陸(カナダ・アメリカ・メキシコ)に幅広く生息するナミヘビ科の蛇です。独特な鼻の形をしているため「獅子鼻」と名付けられました。上向きについている鼻が特徴ですが、穴を掘ったりすることに使うようです。

生態

セイブシシバナヘビは基本的に夜行性です。日中は地中のトンネルに潜み、夜になると獲物を探す生活をしています。

https://www.biolib.cz/en/image/id120160/

食性は、飼育下ではマウスもしくはラットを与えれば問題ないです。大半の飼育者は爬虫類専門店などで販売される冷凍マウスや冷凍ラットを与えています。

大きさ

大きさは蛇の中では小型な部類になり、より大きくなるメスでも一部60cmを超える程度です。オスに至っては平均45cm程度とされています。

ボールパイソンやコーンスネークといった初心者向けとされる蛇でも育つと1mを超える中、セイブシシバナヘビはかなり小さいです。一般的な家でも飼育しやすいサイズとも言えます。

販売されている個体はまだ小さなベビーが大半です。世界各国で繁殖が盛んに取り組まれており、産まれたベビーが流通します。野生個体の流通はほとんどないです。

セイブシシバナヘビのモルフ(アルビノ、アザンティック、スノーなど)

セイブシシバナヘビは先述のように繁殖が盛んであり、多種多様なカラーリングの種類、通称「モルフ」と呼ばれる個体が販売されています。

あまりにも多様なモルフが存在するため全ては紹介できないのですが、いくつか代表的なモルフを紹介します。

・アルビノ:原種から黒色の色素が欠乏したモルフです。「アルビノ=白」というイメージがあるかもしれませんが、白地に黄色の模様が入る表現になります。目は赤目です。選別交配により様々な赤の濃さのモルフが作出されていて、「レッドアルビノ」や「クリームアルビノ」などという名前で販売されています。

・アザンティック:黄色の色素が消失したモルフです。グレーをベースとしたモノトーンな色合いになります。

・アナコンダ:背中に大きなブロッチ(模様)が出るモルフです。南米に生息するオオアナコンダという蛇に模様が似ていることから名付けられました。アナコンダ同士を交配すると、25%の確率で模様がない個体が産まれます。これを「スーパーコンダ」と呼びます。

・スノー:アザンティック×アルビノから作出されるモルフです。どちらも劣性の遺伝なので二重劣性になります。黄色も黒も消失し、薄紫色の非常に綺麗な個体になります。

他にも多種多様なモルフがあります。また、こういったモルフ同士を掛け合わせて新しいモルフを作出する動きも常にあり、常に新しいモルフが生み出されています。

ちなみに、お店で販売されているセイブシシバナヘビに「Het〜」という名前がついていることがあります。これはヘテロ、と呼び「表現としては出ていないが遺伝子としては保有している」状態を指します。例えばHetアルビノとHetアルビノを繁殖させると、25%の確率でアルビノの特徴を持った子が生まれてくる、という仕組みになっています。少し難しい話になってしまいましたが・・繁殖を狙うのでなければ全く気にする必要はないです。

なお、モルフの金額は人気ではなくレア度によって変わります。なので綺麗だから高いというわけでもないのがセイブシシバナヘビの魅力でもあります。

性格

セイブシシバナヘビは基本的には大人しい性格をしているので、爬虫類の飼育初心者の方にもおすすめしやすい蛇です。
動きもゆっくりしているのでハンドリングも可能です。ただし、夜は餌を探して活発なことがあり手を入れると餌と間違えて噛まれることはあります。噛まれると痛いので気をつけましょう。

また、セイブシシバナヘビは「後牙類」と呼ばれる、奥歯に毒の牙を持つタイプです。奥歯に到達するまで深く噛まれると毒が注入される可能性があります。死亡事故などは発生していないですが、気をつけるようにしましょう。

また、爬虫類は人に触られて喜ぶ生き物ではありません。適切な触れ合い方で接していけば早く懐いてくれます。そして生き物なのでそれぞれに性格があることを理解した上で飼いましょう。

2.セイブシシバナヘビを購入しよう

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販売されている場所

・総合ペットショップ
・ホームセンター
・爬虫類専門店
・爬虫類イベント

総合ペットショップには爬虫類コーナーがあるところが多く、飼育用品や餌も販売されています。ただし、セイブシシバナヘビが販売されている場合でも販売されているモルフが限定的であることが多いため、探していたモルフが販売されている、という場合でなければ避けるのが賢明かもしれません。

ホームセンターでも近年では爬虫類を販売しているところが増えています。しかし店員さんが爬虫類に詳しいかどうか、また飼育用品が充実しているかどうかはお店によるところです。ペットショップと比べると取り扱っている種類は少ないかもしれません。

初心者の方は爬虫類専門店で買うのをおすすめします。飼育に詳しい店員さんがいて飼育用品も揃ってあるので安心して購入できます。

また、専門店であれば様々なモルフのセイブシシバナヘビを取り扱っていることが多く、その中からお気に入りの一匹を見つけることができます。セイブシシバナヘビはカラーリングが豊富なため、色々な生体を見た上で気に入った個体を購入するのが良いです。

爬虫類イベントではお店よりも安く爬虫類を購入することができます。イベントで購入する場合は、事前に飼育用品を揃えてセットしておくべきです。また混雑している場合は店員さんに話しかけづらいなどの心配点があります。

セイブシシバナヘビの値段

セイブシシバナヘビは1万円~10万円程度が一般的です。数万円程度の個体が多いと思います。
中には100万円を超えるような個体も販売されています。

高額な個体は最新モルフなどで数が少ない場合がほとんどです。金額と見た目の美しさは関係がないのでお気に入りの一匹を探すのが良いです。また、同じモルフでも綺麗さによって値段は変化します。

3.セイブシシバナヘビの飼育に必要なもの

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出所)https://www.biolib.cz/en/image/id120160/
ここからはセイブシシバナヘビの飼育に必要なアイテムを紹介していきます。
できれば生体を迎える前に揃えてセットしておくと、お迎え当日スムーズに家に連れて帰ることができます。
以下のものが飼育に必要になります。

・ケージ
・シェルター
・水入れ
・床材
・パネルヒーター

ケージ

セイブシシバナヘビのケージサイズとしてはより小さいオスで45cm×30cm、メスで60cm×30cm程度の底面積があれば終生飼育可能とされています。ベビーの際にはそれほど大きなスペースは必要ないので、成長に合わせて飼育ケースの容量をアップさせると良いでしょう。

また、蛇は脱走の名人ですので逃げれないように蓋をしっかりと閉めるケージにしましょう。一度逃げると探すのが大変です。隠れるのはかなり上手なため一度逃げると室内でも数日見つからないことになります。

シェルター

落ち着かせるために隠れる場所を設置しましょう。飼育個体がとぐろを巻いた程度のサイズにして体が密着できるものが良いです。

水入れ

水入れは水を飲むという意味でも必要ですが、セイブシシバナヘビは水入れを設置するとその中に入ることがあります。特に脱皮の際には湿度を上げて皮を脱ぐために水に入ることがあります。蛇用の水入れ(蛇が入る穴が空いたプラスチックのケースなど)が販売されているので体の大きさに合わせて使用しましょう。

床材

湿度を保ちやすい素材のものがいいです。
床材には以下のようなものがよく使われています。

ヤシガラ保湿性が高く見た目もいいです。燃えるごみとして出せるのもメリットです。
爬虫類用ソイル保湿性が高く、バクテリアが繁殖してフンなどを分解してくれます。生体が良く湿ったソイルを踏んだあとケージ内が汚れてしまうことがあります。
ミズゴケ保水力や弾力性があります。前面に敷く場合は濡らしすぎなどに注意しましょう。
バークチップ園芸用で安く販売されており湿度や温度を保ってくれます。見た目も美しいです。
キッチンペーパーやペットシーツなどの紙類見栄えを気にしなければコストがかからず汚れたら頻繁に交換でき、床材として使えます。保湿性が低く、成体の誤飲の危険もあるのでよく観察しましょう。

セイブシシバナヘビの飼育においては清潔に管理しやすいペットシーツがよく使用されます。見た目は少し悪くなりますが糞をした際に簡単に掃除ができるので便利です。

パネルヒーター

セイブシシバナヘビはアメリカに生息する蛇なので寒い時期は冬眠させることもできます。ただ、飼育下での冬眠は失敗し生体が亡くなってしまうリスクがあります。それを避けるために常に一定の温度をキープしておいた方が安全です。

部屋全体をクーラーやヒーターで管理するのが最も望ましいですが、なかなかそれは難しいのでパネルヒーターをケージの一部に設置しましょう。

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床面の全面にパネルヒーターを敷いてしまうと、温度勾配がなくなり、セイブシシバナヘビが暑いと感じた時に逃げる場所がなくなってしまうため、ケージの半分ほどに当てるのが良いです。気温の目安は28℃〜30℃です。

 

4.セイブシシバナヘビの飼育方法

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出所)https://www.snakes.cz/Heterodon-nasicus.html

セイブシシバナヘビの餌は冷凍マウスか冷凍ラットです。爬虫類専門店などで販売されています。

ヘビ向けの人工飼料は存在しないため、基本的にはマウスかラットが必須になります。基本的には買い溜めをして冷凍庫にストックできるため便利ですが、家族がいる場合は事前に許可をとっておいた方が安全です。

ただ、セイブシシバナヘビはゲルフード(レパシーのミートパイ)で育ったという事例もあるようです。人工飼料での飼育が可能な個体もいるかもしれません。ただ100%人工飼料で飼育することは難しいの冷凍マウスかラットは必要になると考えた方が良いです。

また、生きたマウスやラットを与えることも出来ますが、反撃され噛みつかれるリスクもあるため、冷凍が良いです。野生個体では最初は食べない個体もいますが、繁殖個体であれば既に餌付けされているため問題なく食べてくれると思います。

冷凍の餌はお湯につけて解凍する、もしくは自然解凍をして与えるようにしてください。

餌やりは幼体の場合は週1〜2回、成長したら頻度を減らして週に1回ほどが目安の頻度です。ただ、飼育環境や個体差によって異なるので様子を見ながら与えるようにしましょう。

拒食について

セイブシシバナは餌を食べなくなる時があります。原因として特に挙げられるのが「季節性の拒食」です。温度の変化や季節の変化を敏感に感じ、冬になったと感じた時に餌を食べなくなる時があります。生体のセイブシシバナヘビであれば水さえあれば4~5ヶ月は餌なしで問題ないです。この際には餌をどのように与えても反応しません。しばらく様子を見て再度餌を食べるようになるのを待ちましょう。

ただし、しばらく餌を食べないときは、体重を確認することをお勧めします。体重が減少している場合はトラブルの可能性が高いです。病院に行くことも視野に入れましょう。

ハンドリング

セイブシシバナヘビは大人しい性格のため、慣らせばハンドリングは容易にできます。
日頃ハンドリングに慣れておけばケージ内の掃除や体調の確認など、ストレスを与えることなく触れることができるので是非練習しておきましょう。

ただ、先述のように奥歯に毒を持つ種類ですのでハンドリングの際には細心の注意を払いましょう。

ハンドリングする際には生体を驚かせないよう優しく掴み、落ちないように手に乗せてください。
もし手の上から移動するようであれば無理に止めず落ちないよう自分も動きに合わせましょう。

ハンドリングは長時間を避け、生体の様子をよく見ながら行いましょう。

繁殖

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セイブシシバナヘビの飼育に慣れてきたら、繁殖にチャレンジしてみるのもいいでしょう。
性成熟の目安はオスで2歳以上、メスで3歳以上です。

基本的には「クーリング」と呼ばれる冬眠作業が必要になります。クーリング後、会わせてみてオスとメスの相性がよければ産卵してくれます。

1度に4~23個の卵を産むので、すぐに暖かい場所へ隔離し約2か月ほどで孵化します。

繁殖をさせる場合には生まれたベビーを飼育するのか、またどこかに譲るのかを決めておくなど計画的に行いましょう。

5.セイブシシバナヘビを飼ってみよう

爬虫類の飼育というと、大きなケージでいろいろなライトをつけて…というイメージを持つ方が多いかもしれませんが、セイブシシバナヘビはライトなど大きな設備は必要なく簡単に飼育を始めることができます。

平均寿命は約20年と言われており、長生きする生き物です。
最後まで愛情を持ってお世話できるかどうかよく考えてからお迎えしてくださいね。

是非この記事を参考にセイブシシバナヘビの飼育にチャレンジしてみてください!
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