皆さんはヘルメットゲッコーというヤモリをご存じでしょうか。
ヘルメットを被っているかのような風貌で、可愛らしい見た目から人気のヤモリです・
今回はそのヘルメットゲッコーについてどんな生き物なのか、基本的な生態や飼い方について解説していきます。
飼い方を学べば初心者の方でも飼育することができます。
爬虫類の飼育に興味のある方は、是非この記事を参考にヘルメットゲッコーの飼育にチャレンジしてみてください。
目次
1.ヘルメットゲッコーとは
出所)https://reptilesmagazine.com/breeders-choice-43/
分布
西サハラ、モーリタニア、モロッコに生息します。このヤモリは乾燥した岩の多い砂漠や草原の生息地に住んでいます。降雨は非常にまれですが、大西洋から押し寄せる濃い霧で水分を確保しています。
生態
本来の生息地では、これらのヤモリは通常、日中は岩やその他のがれきの下で見られます。
基本的には夜行性ですが、昼間に日光浴することもあります。
飼育下でも、部屋の電気を消して暗くするとケージ内で活動し始めると思いますよ。
野生では小さな昆虫などを食べて生活しています。
大きさ
大きさは約10〜15㎝で、小型のヤモリとなります。小型なため、小スペースで飼育できる点も魅力の一つです。体と比較して大きい頭を持っており、特にオスは大きくなっています。その点がヘルメットゲッコーの名前の由来になっています。
販売されている個体はまだ小さなベビーの繁殖個体(CB)からアダルトサイズの野生個(WC)までさまざまです。野生個体に関してもアフリカから定期的に輸入されてきますが繁殖個体の販売もEU産などが普及しています。
性格
ヘルメットゲッコーは小型のヤモリで、動きも素早いのであまりハンドリングに向いている爬虫類ではありません。
定期的にハンドリングを繰り返すことで慣らすことは可能です。ただ爬虫類は人に触られて喜ぶ生き物ではありません。あくまで観賞用として考えることが良いでしょう。
また、中には神経質でずっと隠れっぱなし、という個体もいるかもしれません。
生き物なのでそれぞれに性格があることを理解した上で飼いましょう。
また、ヘルメットゲッコーは、場合によっては、1 匹のオスと複数のメスからなるグループで飼うことができます。その場合、十分なスペースを用意しましょう。同居させた際は監視し、動物が互いに攻撃の兆候を示した場合は分離する必要があります。
2.ヘルメットゲッコーを購入しよう
販売されている場所
・総合ペットショップ
・ホームセンター
・爬虫類専門店
・爬虫類イベント
総合ペットショップには爬虫類コーナーがあるところが多く、飼育用品や餌も販売されています。ただ入門種をよく取り扱っていることが多いので、ヘルメットゲッコーが販売されているかどうか事前に聞いておく方がいいかもしれません。
ホームセンターでも近年では爬虫類を販売しているところが増えています。しかし店員さんが爬虫類に詳しいかどうか、また飼育用品が充実しているかどうかはお店によるところです。ペットショップと比べると取り扱っている種類は少ないかもしれません。
初心者の方は爬虫類専門店で買うのをおすすめします。飼育に詳しい店員さんがいて飼育用品も揃ってあるので安心して購入できます。
野生個体が入荷する際には様々な爬虫類専門店にまとめて入荷します。定期的にSNSなどで爬虫類の入荷情報をチェックしておきましょう。
爬虫類イベントではお店よりも安く爬虫類を購入することができます。イベントで購入する場合は、事前に飼育用品を揃えてセットしておくべきです。また混雑している場合は店員さんに話しかけづらいなどの心配点があります。
ヘルメットゲッコーの値段
ヘルメットゲッコーの価格は3万円~5万円程度になっています。
ただし、2023年にワシントン条約附属書2類に登録されたため、今後流通が減り高額になることが予測されます。
野生個体の方が値段は安いですが神経質であったり、輸送の疲れで体調を崩していたりするリスクがあります。初心者の方は繁殖個体(CB)を購入することをオススメします。
3.ヘルメットゲッコーの飼育に必要なもの
出所)http://goodlifeherps.weebly.com/helmeted-gecko-tarentola-chazalia.html
ここからはヘルメットゲッコーの飼育に必要なアイテムを紹介していきます。
できれば生体を迎える前に揃えてセットしておくと、お迎え当日スムーズに家に連れて帰ることができます。
以下のものが飼育に必要になります。
・ケージ
・シェルター
・水入れ
・床材
・パネルヒーター
ケージ
ヘルメットゲッコーは地表性ヤモリなので、表面積の広いケージを選びましょう。
ただ、小型のヤモリですので小さいケージで飼育することも可能です。幅30㎝あるケージであれば十分飼育できます。
ケージは必ずフタがついていてしっかり閉めることができるものにしましょう。
少しの隙間があれば簡単に脱走されてしまいます。
シェルター
日中に隠れることができるシェルターを設置すると良いです。常にシェルターに隠れていて姿を確認できなくなる、というリスクはありますが神経質なヤモリですので隠れる場所がある方がヤモリとしてはストレスを感じずに生活できます。
水入れ
ヘルメットゲッコーに水を飲んでもらうためにもケージ内に水入れを設置しましょう。水入れから水を飲んでいる姿が見られなければ、ケージの内側に霧吹きしてあげましょう。
垂れてくるしずくをペロペロと舐めてくれると思います。
床材
湿度を保ちやすい素材のものがいいです。
床材には以下のようなものがよく使われています。
ヤシガラ | 保湿性が高く見た目もいいです。燃えるごみとして出せるのもメリットです。 |
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爬虫類用ソイル | 保湿性が高く、バクテリアが繁殖してフンなどを分解してくれます。生体が良く湿ったソイルを踏んだあとケージ内が汚れてしまうことがあります。 |
ミズゴケ | 保水力や弾力性があります。前面に敷く場合は濡らしすぎなどに注意しましょう。 |
バークチップ | 園芸用で安く販売されており湿度や温度を保ってくれます。見た目も美しいです。 |
キッチンペーパーやペットシーツなどの紙類 | 見栄えを気にしなければコストがかからず汚れたら頻繁に交換でき、床材として使えます。保湿性が低く、成体の誤飲の危険もあるのでよく観察しましょう。 |
砂漠に生息するヤモリですので、爬虫類用ソイルなど砂を意識した床材が良いです。
爬虫類用品として販売されているものは生体の安全を考えて作られています。
パネルヒーター
ヘルメットゲッコーの適温は約25~27℃です。
無加温で1年間過ごすことは難しいでしょう。
部屋全体をクーラーやヒーターで管理するのが最も望ましいですが、なかなかそれは難しいので寒い時期はパネルヒーターをケージの一部に設置しましょう。
パネルヒーターは通常ケージの下に敷いて使うことが多いですが、ケージ全体をパネルヒーターで覆ってしまうと温度差がなく、熱い時に逃げ場がなくなるので一部だけを温めるようにしましょう。
夏場は締め切った部屋だと室温が30℃を超える場合があり危険です。
クーラーで温度管理するのが1番です。出来るだけ快適な温度をキープしてあげましょう。
4.ヘルメットゲッコーの飼育方法
餌、サプリメント
ヘルメットゲッコーには
・デュビア
・ミルワーム
などを与えます。
どれもペットショップなどで手に入ります。小型のヤモリですので、小さめのコオロギなどを与えてあげましょう。
爬虫類を飼育している人の中で最も定番とされているのがコオロギです。
ペットショップやホームセンターで販売されていて簡単に入手できます。小さいサイズから大きいサイズまで多様なサイズのコオロギを購入することができるのでアルマジロトカゲの大きさに合わせた餌を用意することが簡単です。
ただ、コオロギは大量に購入して管理しておくことが難しいです。少し多めに買って家にある余った虫かごに入れておこう!と思うかもしれませんが、それが結構難しいのです。
コオロギは意外にも繊細でストレスに弱いので、ちゃんと管理しなければすぐに死んでしまいます。飲み水がなくなったり、湿度が高すぎたりすると大量死していまいます。ですので必要な量だけを定期的に爬虫類店舗などで購入することが求められます。
餌になる虫の管理までする自信がないという方はミルワームがおすすめです。
カップにたくさん入っており冷蔵庫で保存すれば餌を与えなくても管理できるため、管理がとても楽です。ヘルメットゲッコーもミルワームはよく食べてくれるので主食とすることは可能です。ただしミルワームは栄養素が少し少ないと言われていますので、栄養価の高い餌をミルワームに食べさせた上で与える手法をお勧めします。
他にもデュビアは管理がしやすく放って置いても死ににくいのでおすすめです。色々な餌を与えてみて嗜好性も確認しておくのが良いでしょう。
また昆虫や人工飼料だけでは不足しがちなカルシウムやビタミンはサプリメントで補いましょう。
爬虫類用のサプリメントを昆虫にまぶしたり、人工飼料につけて与えるだけです。
特にベビーの時期は毎日添加してあげてください。
餌やりは幼体の場合は毎日食べるだけ、成長したら頻度を減らして2~3日に1回与えます。
また、ヘルメットゲッコーは食べ物を追いかけたり追跡したりすることに多くの時間を費やすことはめったにありません。代わりに、食べ物が近くを通り過ぎるまで座って待ちます。間違いなく、野生での彼らの食物摂取の多くは、ヤモリと同じ岩の下に避難しようとする昆虫で構成されています。
温度と湿度
ヘルメットゲッコーの適温は約25~27℃です。
寒いと食欲が落ちて病気の原因にもなります。
また暖かい島にいた生き物だから暑さには強いのだろうと考えてはいけません。
日本の真夏はヘルメットゲッコーにとっては暑すぎます。
ケージ内には温度計を入れて適温を保てているか毎日チェックしましょう。
また、基本的には砂漠の生物のため、湿度が高い環境は得意ではありません。湿度が高くなり過ぎないように湿度計などでチェックするようにしましょう。
ハンドリング
上述のように、ヘルメットゲッコーは小型のヤモリで臆病な面もあり、あまりハンドリングに向いているとはいえない種類です。
ハンドリングを繰り返すことで慣れてくる可能性もありますが、ストレスを抱える可能性が高いのでできれば鑑賞をメインとするヤモリと考えた方が良いでしょう。
繁殖
ヘルメットゲッコーの飼育に慣れてきたら、繁殖にチャレンジしてみるのもいいでしょう。
ほとんどのオス成体は非常に顕著な半陰茎の膨らみを持っているため、尾の付け根の形状を調べることで、この種の性別を簡単に判断することができます。
彼らのクラッチは通常、1つまたは2つの卵で構成されます。1ヶ月に一回、6回のクラッチが報告されています。
卵は1ヶ月から半年の間温めると蒸します。ベビーが食べられるような小さなコオロギなどを用意しておきましょう。
繁殖をさせる場合には生まれたベビーを飼育するのか、またどこかに譲るのかを決めておくなど計画的に行いましょう。
5.ヘルメットゲッコーを飼ってみよう
出所)https://geckotime.com/care-and-breeding-of-helmeted-geckos/
爬虫類の飼育というと、大きなケージでいろいろなライトをつけて…というイメージを持つ方が多いかもしれませんが、ヘルメットゲッコーはライトなど大きな設備は必要ないです。また小型のケージで飼育できるため簡単に飼育を始めることができます。
平均寿命は約5~10年と言われており、小さな体ですが長生きする生き物です。
最後まで愛情を持ってお世話できるかどうかよく考えてからお迎えしてくださいね。
是非この記事を参考にヘルメットゲッコーの飼育にチャレンジしてみてください!
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