ダイオウサソリは、ペットスコーピオンの中でもとりわけ体が大きく、ペットとして飼育していて楽しい種です。
こんな方は多いでしょう。
この記事では、ダイオウサソリの飼育方法と必要な飼育道具、飼育にあたっての注意点を分かりやすくまとめています。
- ダイオウサソリはどんな生き物なのか
- 飼育にはどんな道具が必要なのか
- 日々の世話はどんな事をすればいいのか
こんな内容をお届けします。参考にしてください。
ダイオウサソリとはどんな生き物なのか

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ダイオウサソリは、世界中に分布するサソリの仲間の中でも最大種にあたります。体長は最大で20cm程度。アフリカの熱帯雨林出身で、湿度の高い環境を好みます。
サソリと言うと猛毒を持っている生き物だというイメージもあります。しかし、ダイオウサソリの毒はあくまで獲物を狩るためのものです。人間が刺された場合でも、重篤化したケースはほとんどないようです。
ダイオウサソリは、日本や海外で広くペットとして流通しています。野生下の個体が乱獲されたことから、原産国からのWC(野生下採集)個体の輸出には制限がかかっている状態です。ワシントン条約の附属書Ⅱに名前が乗っているため、リスト入り前と比較すると流通量は減少しています。

なお、現在はブリーダーによる繁殖が行われており、CB(飼育下繁殖)個体もお店で目にするようになりました。
ダイオウサソリの飼育に必要な道具

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では、ダイオウサソリの飼育に必要な道具を見てみましょう。どの程度器具や道具を増やすかは飼育環境に依存するところです。以下で紹介するのは、あくまで一例となります。自宅の環境や個体差に応じて、適時変更してください。
一般的には、ダイオウサソリの飼育には、以下の道具が必要です。
- ケージ
- 床材
- シェルター
- パネルヒーター
- 餌
- 水入れ
それぞれどんなものが適しているのか、詳細を見てみましょう。
ケージ
ダイオウサソリは運動量の多い生き物ではありません。そのためケージサイズも小さめのもので問題ありません。床面積は全長の3倍×2倍程度を目安にします。
脱走防止のため、必ず蓋のできる飼育容器を選んでください。個体のサイズにもよりますが、おすすめは以下の三つの商品です。
- クリアスライダー
- プラケース
- レプタイルボックス
床材
ダイオウサソリの床材は、保湿性の高いものを選びます。元々アフリカの熱帯雨林出身なので、乾燥した環境は適していません。
保湿性の高い床材であれば基本的には何でもOKです。手に入りやすく、おすすめなのは以下の二点です。
- 園芸用の水苔
- ヤシガラ
シェルター
全身が入るシェルターがあると、個体のストレス対策になります。一方、単独飼育の場合は必要ないという意見も見られます。このあたりは個体の性格にも左右される部分です。日々の飼育でよく観察し、必要に応じて採用してください。迷った場合はとりあえず入れておいて、使わないようなら撤去すると良いでしょう。
サソリ用のシェルターは、体が隠れられるものなら基本的には何でも構いません。レイアウト用の岩やコルクの樹皮などを入れると見た目にもおしゃれなのでおすすめです。ですが、特にこだわりがないのであれば割れた植木鉢などでもOKです。
パネルヒーター
熱帯の生き物なので、冬場の温度低下には注意が必要です。気温の下がる時期はパネルヒーターなど保温器具を使用します。
ダイオウサソリの適正飼育温度は25度〜28度と言われています。20度以下でも飼育はできるようですが、個体に優しくないためおすすめはしません。
パネルヒーターを使用する際は、床面積の半分から1/3程度に敷くようにしてください。サソリ自身に好きな温度を選ばせることができるので管理が楽になります。
餌
餌は、一般的な昆虫食の生き物と同じものです。ゴキブリやコオロギ、ミルワームなどを使用できます。
水入れ
ダイオウサソリはよく水を飲むため、水入れは必ず用意します。溺れるといけないので広く浅い形のものを選びましょう。
爬虫類用のSサイズの水入れも使用できますし、植木用ポットの素焼きの水皿なんかもおすすめです。
ダイオウサソリの日々のお世話と環境づくり

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必要な道具が分かったところで、次に日々のお世話と環境作りについて見てみましょう。
- 餌やりは週に1度程度
- ケージ内はやや多湿に保つ
- 適した気温
それぞれ詳細を確認していきます。
餌やりは週に1度程度
ダイオウサソリの餌やりは週に1度程度を目安に行います。意外かもしれませんが、ダイオウサソリは総じて腹持ちが良いため食が細いです。お腹が空いていなければ週に一度の食事も拒否する場合があります。
万が一拒食した場合でも、絶食には強いのでそこまで神経質にならなくても大丈夫です。様子を見ながらエサを与えていってください。
ケージ内はやや多湿に保つ
ケージ内はやや多湿になるように湿度を調整します。一方、蒸れは雑菌の繁殖や体調不良の原因になるので厳禁です。空気穴の多いケージや風通しの良い飼育容器を選んでください。
適した気温
先ほども少し紹介しましたが、ダイオウサソリの適温は25度〜28度程度です。
サソリの中では比較的丈夫な種なので、ある程度の低温には耐えられます。しかし、長く続くと体調を崩したり拒食の原因にもなるので低温飼育はおすすめしません。寒い時期はパネルヒーターやエアコンなどで温度管理を行ってください。
ダイオウサソリはハンドリングできる?

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せっかく飼育しているのだから触れ合いたい。そう思う方もいるかもしれません。しかし、ダイオウサソリに限らず、サソリやムカデなど奇虫類のハンドリングは危険を伴います。
ダイオウサソリの毒は弱く、人をひどく傷つけるものではないと言われています。ですが、鋭い針に刺されればそれなりに痛いですし、腫れる程度の負傷はします。ハサミも大きく強力なので、ハンドリングはおすすめできません。
まとめ
ダイオウサソリは、真っ黒な体に甲冑を着込んだような姿が非常に美しい種です。飼育方法を調べて適切に飼育できれば、良いペットになってくれるでしょう。
とても魅力的なダイオウサソリですが、針を持ち毒のある生き物なので取り扱いには注意が必要です。脱走できないタイプのケージを用意し、給餌やメンテナンスの際も目を離さないようにしてください。
飼育者にとっては美しい生き物ですが、知らない人が見ると無用に怖がらせてしまうこともあります。取り扱いには注意するようにしましょう。