飼育・生体

初心者でも飼える!半水棲カエルの飼育方法

日本人にも馴染みのあるトノサマガエルやアカガエルなどは、半水棲カエルと呼ばれる種類に属するカエルです。

半水棲のカエルは、飛び跳ねる力が強く、危険を感じたら水の中へと逃げる、カエルらしいカエルたちです。

しかし、ペットとしてはカエルの中でも飼育難易度が高い部類に入ります。

「半水棲のカエル飼育は、カエル飼育の面倒で大変なお世話が全て詰まっている。」

と言っても過言ではなく、人気に反して非常に手間のかかるカエルなのです。

しかし、一度人間に慣れてしまえば、飼育者の元へエサを求めて近寄って来るようなひょうきんな一面もあるカエルです。

カエル飼育の面倒で大変な部分がすべて詰まった半水棲カエルは、逆に言えばカエル飼育の魅力がすべて詰まったカエルでもあります。

この記事では、半水棲カエルの

  • 基本的な飼育方法や設備
  • 日々のお世話
  • 飼育の注意点

を可能な限り詳しく解説いたします。

この記事を読んで正しい情報を得ておけば、失敗の可能性を大きく減らすことができます。

飼育が大変な理由や、良くあるトラブルの対策についても解説いたしますので、最後までお付き合いいただけましたら幸いです。

それでは解説をしていきます。

半水棲のカエルとは?

半水棲のカエルとは、基本的に陸生ではあるものの、水辺に依存した暮らしをしているカエルたちの総称です。

田んぼの周りや池、小川などの水場と陸地の境で生活していることが多く、飼育をする際は、陸地と泳ぐことのできる水場が必要になります。

代表的な半水棲カエルには

  • トノサマガエル
  • ダルマガエル
  • アカガエル
  • タゴガエル
  • ゴライアスガエル

などがいます。

半水棲のカエルは、さらに3タイプに分けられます。

  1. 水場への依存が強いほぼ水棲種
    ウキガエルなど、基本的に水場で生活していて、たまに陸地に上がるタイプ
  2. 水場への依存は強いものの、基本的に陸地で生活している種
    トノサマガエルやダルマガエルなど、沼地や田んぼの水際を主な住処とするタイプ
  3. 水場への依存はあるものの、地表棲のカエルと同じぐらいの水量で飼える種
    ヤマアカガエルなど、水辺に近い林などを主な住処にするタイプ

飼育を検討している半水棲種が、3のタイプであれば、地表棲カエルの飼育方法で飼う事が可能です。

初心者でも飼える!半水棲カエルの飼育方法 - 初心者でも飼える!半水棲カエルの飼育方法
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この記事では該当する種類も多い、2のタイプについて解説します。

半水棲カエルは、学術的な区分ではありません

半水棲カエルの特徴

半水棲カエルの特徴は

  • 飛び跳ねる力が強い
  • 水掻きが非常に発達している
  • 吸盤がない種が多く、立体行動は苦手

ということが挙げられます。

半水棲カエルの寿命

半水棲種の寿命は、種類によって差があります。
おおむね飼育下での平均寿命は5年から10年ほどとなりますが、中には20年以上生きる種類もいます。

野外での寿命は3-4年。

(参考 wiki – トノサマガエル)

 

半水棲カエルの飼育方法

トノサマガエル - 初心者でも飼える!半水棲カエルの飼育方法

半水棲のカエルは、アクアテラリウムの環境で飼育します。

具体的には、

  • 水槽
  • 陸場
  • 保温器具
  • 温度計・湿度計・水温計

が必要になります。

水槽

半水棲カエルに適しているケージは

  • 蓋が閉まる
  • 蓋が網目状になっている
  • 可能な限り広いもの

です。

半水棲のカエルは足の力が強く、飛び跳ねた時に蓋を押し上げて脱走することがあります。

そのため、必ず蓋が閉まるケージを使用し、蓋が開かないように重石などで押さえるなど工夫をしましょう。

広いケージが適している理由は、

  • ストレスなく泳げる大きな水場
  • 体を休めるための陸地

が作成しやすいためです。

ケージには、3割ほどを陸場、残りの7割を水場として構築します。

水深はカエルの体高の2倍~3倍ほど。伸び伸びと泳げるかつ、水面へと簡単に顔が出せる深さが必要になります。

陸場

陸場には

  • レンガやブロック
  • カメ用の浮島
  • 熱帯魚用のレイアウト品

など組み合わせて陸場を作ります。

陸場は平坦で斜面が少ないとカエルが落ち着きやすい
体が傾いてしまう場所しかない陸地はNG

レンガ・ブロック

平らな場所を構築しやすいレンガやブロックですが、水につけるとレンガの成分が溶け出す可能性があることに注意をしてください。

使用前はレンガを水につけ、油膜が張らないか確認し、油膜が出るものは使用を避けましょう。

カメ用の浮島

カメ用の浮島は

  • シェルタータイプ
  • 浮かせるタイプ
  • 吸盤でケージに張り付けるタイプ

があります。どれもスロープがついていて登りやすいため有用です。

亀用の浮島のみでは陸地として広さが足りない場合があるため複数使用するのも良いでしょう。

稀に浮島の下に潜ったまま出られずに溺死することがあります。
浮島を角に配置しないようにしたり、息継ぎができるように配置したりすることで溺死を未然に防げます。

熱帯魚用レイアウト品

メインの陸場としては使いづらいですが、足場や一時的な休息所に使用できます。

水中シェルターのようなカエルの全身が隠れられる形状のものは、シェルターからうまく出られず溺死する可能性があります。

スムーズに外に出られるレイアウト品を使用しましょう。

保温器具

ケージ内には水と陸の環境を用意しますが、保温は水のみで大丈夫です。

  • 熱帯魚用のサーモスタット
  • 水中ヒーター
  • ヒーターカバー

この3つを使用し、水中を保温することでケージ全体を保温できます。

サーモスタットとヒーターが一緒になっているGEXのヒートナビがオススメです。

温度計 湿度計 水温計

ケージの温湿度を把握することで、不本意なトラブルを防ぐことが可能です。
温度管理は飼育の基礎であるため必ず取りつけましょう。

温度・湿度について

水中の温度は、23度~30度の範囲を維持しておけば問題ありません。

一部の特殊なカエル以外は、サーモスタットの設定を25度~28度ぐらいにしておけば良いでしょう。

水中の保温のみで全体的に十分な温度をキープできます。

寒すぎて保温が行き届かない場合は、パネルヒーターを利用しケースの外側から側面に張り付けて対応します。

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飼育温度23度~30度以内、湿度60%以上を維持しましょう。

半水棲カエルの餌

エサには

  • フタホシコオロギ
  • イエコオロギ
  • デュビア
  • レッドローチ

などの生き餌を使用します。こうした餌昆虫は入手もしやすくオススメです。

与えてはいけない虫も紹介します。

ジャイアントミルワームは顎の力が強く、カエルが胃を破かれてしまう危険もあるため与えないようにします。

カブトムシやカナブンなど消化に時間のかかる甲虫類は与えることを控えましょう。

虫のみでは栄養が偏るため、カルシウムやマルチビタミンのサプリメントが必要です。

餌の与え方

サイズ

餌のサイズは、カエルの頭の半分位から7割程度の大きさを目安に与えます。

頻度

頻度は大よそ2日~3日に1度

腹八分目ぐらいが理想です。

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5匹目を与えたら無反応だった…なんて時には、3匹がベストとなります。

野生で捕まえた場合、痩せすぎている場合を除き、そのフォルムがそのカエルのベストな状態。
最初の状態と比較して、痩せたり太ったりしていたら餌の分量を調整しましょう。

給餌

初めて給餌をする場合は、1匹のみ餌を投入して、食べられる状態まで落ち着いているのかどうかを確認してみましょう。

飼育開始1か月ほどは、カエルが休んでいる陸地に餌昆虫をばら撒いて給餌をします。

カエルの多くは夜行性なので、夜に与えると餌食いが良いです。餌は消灯前にバラ撒くことが理想です。

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餌を落とす位置は、カエルの鼻先から10センチ~15センチぐらいが目安です。この位置を意識して落とすと反射的に襲いやすいです。

ピンセット給餌の必要性

水場のある飼育環境では、ばら撒いた餌昆虫が水場に落ちて水死することもあり、餌が無駄になりがちです。

とくにサプリメントを振りかけた餌昆虫が落水すると、水質が悪化するためメンテナンス頻度も増えてしまいます。

ピンセット給餌には

  • 水質悪化を防げる
  • 食べたエサの量を管理できる
  • 人工餌・冷凍餌もピンセットから給餌できるようになる

という利点があり、慣れさせることをオススメします。

人間の生活音に慣れたあたりから、ピンセットによる給餌を試してみましょう。

ピンセット給餌の準備ができている個体なら、コオロギなどを摘まんで鼻先に近づけると食べてくれます。

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ピンセット給餌の際に目をつむって身を縮めてしまう場合や、驚いて飛び跳ねるようなら、給餌を中止して数日後に再トライしましょう。

エサを食べない場合の対策

陸場が狭い場合や凹凸ばかりの陸地だと、カエルが安心できず餌に反応しないことがあります。

なかなか餌を食べてくれない時には、陸地の見直しをしてみてください。

陸地の見直しの他に

  • 環境に慣れさせる
  • エサのサイズを小さくする
  • 単一の餌ではなくさまざまな餌を与えて飽きさせないようする
  • エサを陸地ではなく水面に落とす

などの対策が考えられます。

お掃除・日頃のお世話

カエルの飼育は細菌感染との闘いです。常に清潔な環境を維持しなくてはなりません。

糞を確認したらすぐに掃除します。

見た目が綺麗でも3日~7日に1度は全体の掃除をしましょう。

各種飼育用品も定期的に清掃する必要があります。アルコールや熱湯での消毒を月に1度ぐらい行いましょう。

半水棲種飼育の難点

半水棲カエルには、以下のような難点があります。

  • 馴れない段階では恐怖から大暴れし、鼻先に怪我をしやすい
  • 大食漢で良く食べるため、糞の頻度と量が多い
  • 良く動く種類なので、糞が拡散しやすい
  • 水場での糞尿を放置すると、自家中毒で即致命傷になる
  • 湿度が高く蒸れやすい環境なので、細菌が大繁殖しやすい

人に馴れるまでの難易度が高いため、人との暮らしに馴らすことが、最初の難問にして最大の難所となります。

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馴れた後もメンテナンスの頻度と正確さが必要となり、管理の手間が他のタイプのカエルより多くなるということを頭に入れておきましょう。

初期導入時の注意点

カエルの飼育では、暴れて鼻先をこすり、怪我部分から細菌感染にかかって死ぬ事例が多いです。

怪我そのものには強いので、それ自体が致命傷になることは少ないですが、怪我→餌食いの低下→免疫力の低下→細菌感染となるケースが見られます。

鼻先をすりむいたら、まずは清潔な環境で怪我を治しましょう。

人への慣れさせ方

人の影を見ただけで大暴れする様な初期段階では、生活音に慣れさせることが重要です。

ケージを紙やダンボールなどで覆い生活音に慣らしましょう。

その間、餌は1週間ほど与えなくても大丈夫ですが、1日に1回は隙間から観察し、糞があったら掃除しましょう。

数日ごとに少しずつ覆っている物をずらして、人間の姿や動きを徐々に見せていきましょう。

 

購入時の注意点

ダルマガエル - 初心者でも飼える!半水棲カエルの飼育方法ショップで売られている個体であっても、鼻先が白くなっていたり、潰れて顔がひし形になったりしている個体の購入は避けましょう。

輸入技術の向上と、国内の飼育レベルが上がった今では、そうした個体が売られることはほとんどありませんが、通販で購入した場合は、輸送中に暴れて怪我をする可能性があります。

そのため半水棲カエルは、できるだけショップで直接購入することをオススメします。

 

まとめ

半水棲のカエルはとにかく臆病で、飼育の初期段階のみならず、馴れてもなにかの拍子に怪我をすることが多いです。

管理の手間も他のカエルと比べて多くなりがちで、飼育中は常時油断できないカエルとなります。

しかし手間暇がかかる分、可愛さも増大しますよね。

  • 陸地と水場を必要とするアクアテラリウムの環境を用意する
  • 人に慣れていない飼育の初期段階が最も難しい
  • 暴れる場合はケースを紙や布・ダンボールで覆って、生活音に馴れさせる
  • 水場と陸場、双方の汚れに気を配る。(糞を確認したら即掃除)
  • 暴れて鼻先をこすってしまったら、いつも以上に衛生面に気を付ける。
  • 虫メインで与えるためサプリが必須

上記のことに気を付けて飼育を始めてみてください。

以上、初心者でも飼える半水棲カエルの飼育方法でした。

toumaden - 初心者でも飼える!半水棲カエルの飼育方法
望月
この記事は爬虫類・両生類などの繁殖・卸・小売を行なっている灯間殿(とうまでん)の望月が執筆・監修をしています。