皆さんはアカメカブトトカゲというトカゲをご存じでしょうか。
その名の通り、目元が赤くなっており、兜を被ったような見た目をしているトカゲです。
サイズも小さく飼いやすいトカゲと言われています。
今回はそのアカメカブトトカゲについてどんな生き物なのか、基本的な生態や飼い方について解説していきます。
飼い方を学べば初心者の方でも飼育することができます。
爬虫類の飼育に興味のある方は、是非この記事を参考にアカメカブトトカゲの飼育にチャレンジしてみてください。
目次
1.アカメカブトトカゲとは
出所)http://www.kamihata-online.com/shop/pages/04rp0005.aspx
分布
アカメカブトトカゲはニューギニア島に生息しています。インドネシアおよびパプアニューギニアです。インドネシア便で定期的に爬虫類ショップに入荷するトカゲですね。
生態
アカメカブトトカゲは夜行性のトカゲです。昼間は落ち葉や倒木の下等で休んでいます。また、水を好み、水辺によく生息していると言われますが、実際は現地では道路脇の倒木の下にいるなど、そこまで水辺にいる訳ではないようです。
ただ、湿度高めの飼育環境が望ましいとされています。
野生では昆虫などを食べて生活しています。飼育下においてはコオロギやレッドローチなどを与えることが可能です。
大きさ
大きさは最大20cm程度です。似た種類の「モトイカブトトカゲ」より一回り大きくなるとされています。
販売されている個体は野生採取個体がメインですのでアダルト個体が多いです。ベビーで販売されていることはあまりないです。
性格
アカメカブトトカゲは基本的には臆病です。人の姿を見るとシェルターに逃げ隠れてしまうような個体が多いです。慣れてくると人前に臆せず出てくるような個体や、冷凍コオロギをピンセットで食べてくれるような個体もいますが、基本的には臆病だと思っておいて良いでしょう。
動きもゆっくりしているのでハンドリングは可能です。ただ、危険を感じると「ギッ!」と声を出すことがあります。
また、爬虫類は人に触られて喜ぶ生き物ではありません。特にアカメカブトトカゲはシェルターの中に隠れていることが多く、ハンドリングとなるとシェルターから取り出す必要があり、個体のストレスになる可能性が高いです。
定期的な体調チェックなどでの確認に止め、基本的にはハンドリングせずに飼育する方が良いかと思います。
2.アカメカブトトカゲを購入しよう
販売されている場所
・総合ペットショップ
・ホームセンター
・爬虫類専門店
・爬虫類イベント
総合ペットショップには爬虫類コーナーがあるところが多く、飼育用品や餌も販売されています。ただ入門種をよく取り扱っていることが多いので、アカメカブトトカゲが販売されているかどうか事前に聞いておく方がいいかもしれません。
ホームセンターでも近年では爬虫類を販売しているところが増えています。しかし店員さんが爬虫類に詳しいかどうか、また飼育用品が充実しているかどうかはお店によるところです。ペットショップと比べると取り扱っている種類は少ないかもしれません。
初心者の方は爬虫類専門店で買うのをおすすめします。飼育に詳しい店員さんがいて飼育用品も揃ってあるので安心して購入できます。
アカメカブトトカゲはインドネシア便などで、定期的にまとまって輸入されることが多い生体です。いない時はいない、いる時はたくさんいるタイプの種類なので定期的に在庫を確認することをお勧めします。
爬虫類イベントではお店よりも安く爬虫類を購入することができます。イベントで購入する場合は、事前に飼育用品を揃えてセットしておくべきです。また混雑している場合は店員さんに話しかけづらいなどの心配点があります。
アカメカブトトカゲの値段
アカメカブトトカゲの価格は野生採取個体で1万円〜2万円程度です。
ほぼ全てが野生採取個体です。近年は以前より少し値上がりしている傾向にあります。
3.アカメカブトトカゲの飼育に必要なもの
ここからはアカメカブトトカゲの飼育に必要なアイテムを紹介していきます。
できれば生体を迎える前に揃えてセットしておくと、お迎え当日スムーズに家に連れて帰ることができます。
以下のものが飼育に必要になります。
・ケージ
・水入れ
・床材
・シェルター
・パネルヒーター
ケージ
アカメカブトトカゲは最大20cm程度の小型のトカゲです。幅30cmのプラスチックケースが一番手軽なケージでしょうか。レイアウトをしたい、見た目に拘りたいという方は30cm×45cmのガラス製爬虫類ケージなどもピッタリです。
ケージは必ずフタがついていてしっかり閉めることができるものにしましょう。
少しの隙間があれば簡単に脱走されてしまいます。
水入れ
アカメカブトトカゲに水を飲んでもらうためにもケージ内に水入れを設置しましょう。
また、湿度が高い方が良い種類の生体なのでまめにケージの内側に霧吹きしてあげましょう。
ケージの半分を水にする、という程の水分は必要ではありませんが、常に湿っている場所がある方が良いです。全体を湿らせてしまうと、汚れから皮膚病になってしまうことなどがあるため、湿っている場所と湿っていない場所を作ってあげるのが良いでしょう。
床材
湿度を保ちやすい素材のものがいいです。
床材には以下のようなものがよく使われています。
ヤシガラ | 保湿性が高く見た目もいいです。燃えるごみとして出せるのもメリットです。 |
---|---|
爬虫類用ソイル | 保湿性が高く、バクテリアが繁殖してフンなどを分解してくれます。生体が良く湿ったソイルを踏んだあとケージ内が汚れてしまうことがあります。 |
ミズゴケ | 保水力や弾力性があります。前面に敷く場合は濡らしすぎなどに注意しましょう。 |
バークチップ | 園芸用で安く販売されており湿度や温度を保ってくれます。見た目も美しいです。 |
キッチンペーパーやペットシーツなどの紙類 | 見栄えを気にしなければコストがかからず汚れたら頻繁に交換でき、床材として使えます。保湿性が低く、成体の誤飲の危険もあるのでよく観察しましょう。 |
小型の生体なので小粒な床材の方が似合います。湿度も維持しやすいということから爬虫類用のソイルが一番適しています。他の床材では飼育できない、というわけではないと思いますがなるべく自然環境に近い状態にしてあげましょう。
シェルター
アカメカブトトカゲは性格上シェルターに隠れていることが多いです。安心できる環境を作るためにも必ずシェルターを設置しましょう。隠れることができる場所さえあれば問題ないので、流木を重ねて隙間を作る、というようなやり方でも問題ないです。
パネルヒーター
東南アジアの温暖な環境で生活しています。無加温で1年間過ごすことは難しいでしょう。
部屋全体をクーラーやヒーターで管理するのが最も望ましいですが、なかなかそれは難しいので寒い時期はパネルヒーターをケージの一部に設置しましょう。
パネルヒーターを設置するときは全てを覆わず、一面だけ設置してください。
寒ければその場所に近づき暑くなれば離れられるようにするためです。
夏場は締め切った部屋だと室温が30℃を超える場合があり危険です。
クーラーで温度管理するのが1番です。
4.アカメカブトトカゲの飼育方法
出所)http://www.kamihata-online.com/shop/pages/04rp0005.aspx
餌、サプリメント
アカメカブトトカゲには
・デュビア
・ミルワーム
などを与えます。
どれもペットショップなどで手に入ります。
爬虫類を飼育している人の中で最も定番とされているのがコオロギです。
ペットショップやホームセンターで販売されていて簡単に入手できます。小さいサイズから大きいサイズまで多様なサイズのコオロギを購入することができるのでアカメカブトトカゲの大きさに合わせた餌を用意することが簡単です。
ただ、コオロギは大量に購入して管理しておくことが難しいです。少し多めに買って家にある余った虫かごに入れておこう!と思うかもしれませんが、それが結構難しいのです。
コオロギは意外にも繊細でストレスに弱いので、ちゃんと管理しなければすぐに死んでしまいます。飲み水がなくなったり、湿度が高すぎたりすると大量死していまいます。ですので必要な量だけを定期的に爬虫類店舗などで購入することが求められます。
餌になる虫の管理までする自信がないという方はミルワームがおすすめです。
カップにたくさん入っており冷蔵庫で保存すれば餌を与えなくても管理できるため、管理がとても楽です。アカメカブトトカゲもミルワームはよく食べてくれるので主食とすることは可能です。ただしミルワームは栄養素が少し少ないと言われていますので、栄養価の高い餌をミルワームに食べさせた上でアカメカブトトカゲに与える手法をお勧めします。
目安としては成体には2〜3日に1度、幼体には毎日餌を与えることがおすすめです。ただし、個体によってどれだけ食べるかは差がありますので様子を見ながら与えるようにしてください。エリ肥満には注意しながらも様子を見ながら求める量をあげるようにしましょう。
また昆虫や人工飼料だけでは不足しがちなカルシウムやビタミンはサプリメントで補いましょう。
爬虫類用のサプリメントを昆虫にまぶしたり、人工飼料につけて与えるだけです。
特にベビーの時期は毎日添加してあげてください。
あまり生きた昆虫を扱いたくない、という方は冷凍コオロギや乾燥コオロギを与えるということも出来なくはないです。ただし、最初は生きたコオロギをピンセットで与えて、ピンセットに摘まれているもの=餌と認識させた上で冷凍コオロギや乾燥コオロギをピンセットで摘んで与えるといった努力が必要になります。
温度と湿度
アカメカブトトカゲの適温は約25~30℃です。
寒いと食欲が落ちて病気の原因にもなります。
また暖かい所にいた生き物だから暑さには強いのだろうと考えてはいけません。
日本の真夏はアカメカブトトカゲにとっては暑すぎます。
ケージ内には温度計を入れて適温を保てているか毎日チェックしましょう。
また乾燥しすぎると脱皮不全や脱水を起こしてしまいます。
毎日霧吹きで床材やケージ内を湿らせるなど、よく気を付けてあげましょう。
ハンドリング
アカメカブトトカゲは大人しい性格のため、慣らせばハンドリングは容易にできます。
日頃ハンドリングに慣れておけばケージ内の掃除や体調の確認など、ストレスを与えることなく触れることができるので是非練習しておきましょう。
ハンドリングする際には生体を驚かせないよう優しく掴み、落ちないように手に乗せてください。
もし手の上から移動するようであれば無理に止めず落ちないよう自分も動きに合わせましょう。
ハンドリングは長時間を避け、生体の様子をよく見ながら行いましょう。また、シェルターから何回も取り出すと生体のストレスになります。あくまで定期的なハンドリングにとどめましょう。
繁殖
アカメカブトトカゲの繁殖については国内でも時々成功例を聞くことがあります。雌雄判別が外見で可能ということから、ペアで揃えることはそんなに難しくはないです。
後ろ足の指にコブのような鱗があるのがオスで、ないのがメスになります。
ただ、成功例は聞きますがデータとしては少ないです。とりあえずオスとメスで揃えるのは必須になりますが、繁殖を狙う場合は色々試行錯誤してみてください。
卵性で1〜2個の卵を産卵するようです。
5.アカメカブトトカゲを飼ってみよう
出所)https://www.reptiles.swelluk.com/help-guides/how-to-keep-a-red-eye-crocodile-skink/
爬虫類の飼育というと、大きなケージでいろいろなライトをつけて…というイメージを持つ方が多いかもしれませんが、アカメカブトトカゲはライトなど大きな設備は必要なく簡単に飼育を始めることができます。また、飼育自体もそれほど難しくはないトカゲです。
シェルターの中で普段過ごしているのであまり見かけることがないですが、餌を食べる瞬間を見ることができると思った以上に可愛いトカゲです。人間に馴れさせていくというのも一つ飼育の目標にすると楽しめると思います。
是非この記事を参考にアカメカブトトカゲの飼育にチャレンジしてみてください!
よければ以下の記事もご覧ください。