ヌマガエルというカエルをご存知でしょうか?
褐色の小型のカエルで、国内に生息する種類です。
田んぼの近くに行くともしかしたら野生のヌマガエルに出会えるかもしれません。
今回はそんなヌマガエルの生態や飼い方について詳しく説明していきます。
目次
ヌマガエルとは
どんなカエル?
出所)https://www.hitohaku.jp/material/l-material/frog/zukan/numa.html
ヌマガエルはヌマガエル科に分類されるカエルの一種です。日本では本州中部以西・四国・九州、奄美諸島、沖縄諸島に自然分布します。
しかし、1990年代頃から関東地方や対馬、壱岐島、五島列島でも確認されるようになり、国内外来種となっている種類です。関東地方では、関東地方では,利根川・渡良瀬川流域・房総半島(千葉県,埼玉県,群馬県,栃木県),神奈川県横浜市,東京都足立区・江戸川区など幅広い地域で発見されています。
主に水田付近に生息しており、水田に大きく依存した種です。
高密度に生息し,繁殖期の5月から8月にかけては大声で鳴くため姿を見る機会が多くなります。
ヌマガエルの鳴き声は?
雄は水田などで「グエッ,グエッ,…」等と聞こえる声で鳴きます。
クワッ、クワッという表現もできるでしょうか。
鳴き声を紹介している動画がYoutubeに投稿されていたので紹介します。
大きさや見た目
体長29~54mm.体重2~15gと、小型のカエルになります。
トノサマガエルが38~94mmとなるのでトノサマガエルより少し小さいカエル、と言えます。
体色は薄茶色や灰色をし、暗色の斑紋が入ります。 個体によっては背中に1本縦のラインが入るものもいるようです。
ツチガエルとヌマガエルの違いは?
似たような見た目の「ツチガエル」という種類が存在します。よく似ているのですが、ヌマガエルは腹に模様がなく真っ白で、ツチガエルは褐色のまだら模様があります。そのほかにも、ヌマガエルはツチガエルに比べると全体にイボの突起が弱く、目の前方の盛り上がった部分が少ない傾向があります。
2.ヌマガエルの飼育に必要なもの
飼育ケース
ケースを選ぶ際には以下の3つのポイントに注意しましょう。
・蓋がついていてしっかり閉じられるもの
・通気性の良いもの
・ケース内に水場と陸地をつくるスペースがあるもの
飼育ケースは水槽や虫かごなどを使います。
ジャンプ力があるので蓋がついていなければ簡単に脱走されてしまいます。
1匹飼いでも底面積と高さに余裕のあるケースを選びましょう。
また、カエルは通気性の悪い環境を嫌います。通気性の良いケージを用意しましょう。
カエルは水辺にいるので湿度が高い方がいいのではないか?と思われるかもしれませんが、適度な湿度にとどめることが重要です。
最後に、水田に生息するカエルですので、水辺と陸地の両方を必要とします。
水辺は全身を浸かることができる大きさ・深さの容器を置いてあげましょう。
床材
飼育ケース内に敷いて使います。
床材には以下のものがよく使われています。
土 | 最も自然に近い環境になります。園芸用の腐葉土は安価で吸水性がいいので湿度を保ちやすかったり、余分な水を吸い取ってくれて便利です。 |
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ソイル | カエル用のソイルが販売されています。活性炭が含まれておりフンなどの臭いを抑えることができます。 |
キッチンペーパー | コストがかからず汚れが目立つので頻繁に変えることができますが、保湿を持続させるのは難しいです。 |
ウールマット | 安価で必要な分だけ切って使えるのでコスパが高いです。硬さによってはすぐに穴を開けられたりケガの原因になってしまいます。 |
水ゴケ | 園芸用品として販売されています。保水力がよく柔らかいのでカエルが脚をケガしにくいです。潜りやすいので冬眠にも向いています。 |
床材として使えるものはさまざまですが、湿度を保てることや素材の柔らかさなどの点から
土を使用するのがおすすめです。
カエル全般に言えることですが、ヌマガエルは乾燥に弱いためケース内の湿度には注意が必要です。
保湿するには床材に霧吹きをして水分を保たせます。
土であれば湿りやすいので湿度をより長く保つことができます。
また彼らがもともといた水田付近の地面の雰囲気に近づけることができるので
土を使うことでヌマガエルにとって過ごしやすい環境になります。
ただ土によっては保湿性が悪くすぐに乾燥してしまうものや農薬などを使用している危険なものもあるので、両生類飼育用に販売されている土を購入することをオススメします。100円ショップなどで安価に販売されている園芸用の土は農薬などによってカエルが体調を崩したり死亡してしまうリスクがあります。
水ゴケも、ケースの中に入れておくと湿度を維持しやすいです。乾燥して販売されている水ゴケを購入し、水につけてふやかした形で使用します。
ただ、しばらくすると乾いてしまうので定期的な霧吹きが必要です。また、しばらくすると汚れてくるので定期的に交換しましょう。
餌
ヌマガエルは肉食で自然では昆虫をメインに、バッタ、コウチュウ、アリなどの小型昆虫類、クモ類などを捕食しています。ただ、飼育するにはこれらの餌を採集する必要があるというわけではありません。むしろ、自然に生息する虫は何を食べているかわからないため生体にリスクとなる可能性があるため避けて方が良いです。餌用の昆虫を購入することをおすすめします。
最近では爬虫類や両生類を飼育する人が増えてきたので、ペットショップに行くとさまざまな餌が販売されています。
手に入れやすい餌は以下のようなものがあります。
コオロギ | メインでよく使われており、SS~Lサイズまで幅広いサイズ展開があります。ストックしておくにはコツがいります。 |
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ミルワーム | 冷蔵保存するので管理がとても楽です。あまり動かないのでエサ皿に入れても逃げずらく与えやすいです。 |
デュビア | 海外のゴキブリです。大きなサイズのものが販売されていることが多いでの購入時に注意してください。管理しやすく簡単に増やすことができます。 |
ワラジムシ | カルシウムが豊富です。他の餌より販売しているところは少ないかもしれません。 |
人工飼料 | 肉食魚用やカエル用の人工飼料を与えます。食べる個体と食べない個体がいるので、食べればラッキーくらいに思っておきましょう。 |
爬虫類や両生類を飼育している人の中で最も定番とされているのがコオロギです。
ペットショップやホームセンターで販売されていて簡単に入手できます。小さいサイズから大きいサイズまで多様なサイズのコオロギを購入することができるのでヌマガエルの大きさに合わせた餌を用意することが簡単です。
ただ、コオロギは大量に購入して管理しておくことが難しいです。少し多めに買って家にある余った虫かごに入れておこう!と思うかもしれませんが、それが結構難しいのです。
コオロギは意外にも繊細でストレスに弱いので、ちゃんと管理しなければすぐに死んでしまいます。飲み水がなくなったり、湿度が高すぎたりすると大量死していまいます。ピンセットから食べてくれる個体であれば冷凍コオロギや乾燥コオロギを使用するのも有効です。ただし、個体によって好き嫌いがありますので全ての個体に使える餌ではないことは注意してください。
餌になる虫の管理までする自信がないという方はミルワームがおすすめです。
カップにたくさん入っており冷蔵庫で保存すれば餌を与えなくても管理できるため、管理がとても楽です。ただし、「ジャイアントミルワーム」という名前で販売されている種類はヌマガエルには大きすぎるため「ミルワーム」を購入しましょう。
またデュビアも管理が簡単です。小さい個体が販売されていないことがありますのでその点だけ注意ですが、耐久性が高く・様々な餌を食べてくれるので多く買って管理しておく、というのが向いています。
ワラジムシは少し高額で販売している場所も少ないですが、嗜好性が高いのでおすすめの餌です。また管理も難しくありません。オークションでは定期的に販売されているので購入しやすいです。
ただどの餌を与えるにしても、栄養剤を必ず添加するようにしましょう。
栄養剤にはヌマガエルの成長に必要なカルシウムやビタミンが含まれています。
餌となる昆虫にまぶして与えましょう。
もしくはガットローディングという手法を活用しましょう。こちらは餌となる昆虫に高栄養の餌を与えることで栄養価値を高める手法です。ガットローディング用に、昆虫用の餌が販売されていますのでそちらを購入して与えるのが良いです。
レイアウトを楽しんでみよう!
出所)https://www2.hkr.ne.jp/~rieokun/frog/numa.htm
飼育に慣れてきて飼育ケースのサイズに余裕があれば、レイアウトを楽しんでみませんか?
具体的には植物や木の枝などを入れてより自然に近づけた環境を作ります。100円ショップで販売されている人工の葉などを入れれば、管理することも容易です。
・植物は丈夫なもの、もしくは人工植物を選ぶ
・木や枝を入れてみる
ヌマガエルにとっては隠れる場所が増えストレスが減ったり、自然下に近い環境になることで湿度管理がしやすくなり、より飼育しやすくなります。
また枝などを入れると登る姿が見れたり、水場に置けば掴まることもできます。
3.基本的なお世話
ヌマガエルを飼育する上で気を付けるべきことは以下の3点のみです。
・餌やりは2~3日に1回
・フンなどの汚れはすぐに取り除く
・霧吹きで湿度を保つ
まだ幼い個体であれば毎日か1日おきに与えます。
成体は与えすぎると肥満になってしまうので、2~3日に1回にします。
ピンセットで1匹ずつ与えてもいいですし、ケース内に放って食べさせてもいいです。
その場合食べ残した餌はそのままにせず回収しましょう。
ピンセットで餌を与える場合、最初から食べてくれる可能性は低いです。まず飼育環境に慣らし、人を見ても逃げないようになってからチャレンジしてみましょう。
餌やりの後はフンをしていないかよく観察しましょう。
見つけ次第すぐ取り除きます。
床材はできれば1か月に1回交換しましょう。床材は最低でも定期的な水洗いをすることで、汚れを取り除きましょう。両生類は皮膚が弱いため、汚れが多くなると皮膚病になるリスクが高まります。
また水場の水はできるだけ毎日交換します。
カエルは水分補給を口ではなく皮膚から行います。
そのため水場の水が汚れていれば、ヌマガエルが弱ってしまいます。
湿度を上げるための霧吹きの目安は1日2回です。
季節によってはすぐに乾いてしまうかもしれないので、様子を見ながら回数を変えます。
4.ヌマガエルを購入しよう
販売されている場所
・総合ペットショップ
・ホームセンター
・爬虫類専門店
・爬虫類イベント
総合ペットショップには爬虫類・両生類コーナーがあるところが多く、飼育用品や餌も販売されています。ただ海外種をよく取り扱っていることが多いので、ヌマガエルが販売されているかどうか事前に聞いておく方がいいかもしれません。
ホームセンターでも近年では爬虫類・両生類を販売しているところが増えています。しかし店員さんがカエルに詳しいかどうか、また飼育用品が充実しているかどうかはお店によるところです。ペットショップと比べると取り扱っている種類は少ないかもしれません。
初心者の方は爬虫類専門店で買うのをおすすめします。飼育に詳しい店員さんがいて飼育用品も揃ってあるので安心して購入できます。
爬虫類イベントではお店よりも安く購入することができます。イベントで購入する場合は、事前に飼育用品を揃えてセットしておくべきです。また混雑している場合は店員さんに話しかけづらいなどの心配点があります。
ヌマガエルの価格
ヌマガエルの価格は1,000円ほどです。国産種ということで比較的安価に購入することができます。
5.ヌマガエルを飼ってみよう!
ヌマガエルについて生態や飼い方を紹介しました。
簡単に飼育することができるので、ペットを飼育したことがない方にもおすすめです。
飼育する場合にはヌマガエルが安心して過ごせる環境を準備してから
迎えるようにしましょう。
またお世話はそこまで大変ではないので欠かさないようにしてください。
ヌマガエルに興味を持った方は、
是非飼育にチャレンジしてみてください。
そして野生のヌマガエルが今どんな暮らしをしているのか、自然に目を向けてみてください。
ヌマガエルの寿命は3~5年と言われています。
飼育するのであれば最後までしっかりお世話してあげましょう。
また下記のページも飼育の参考にしていただければと思います。