これから飼育を始める人向け

エリマキトカゲってどんなトカゲ?特徴や飼い方を解説

皆さんはエリマキトカゲというトカゲをご存じでしょうか。
首元に襟巻きがあって、それを広げることで威嚇をするトカゲです。実物は見たことないけど写真は見たことある、という方は多くいらっしゃるかもしれません。今回はそのエリマキトカゲについてどんな生き物なのか、基本的な生態や飼い方について解説していきます。

飼い方を学べば初心者の方でも飼育することができます。
爬虫類の飼育に興味のある方は、是非この記事を参考にエリマキトカゲの飼育にチャレンジしてみてください。

1.エリマキトカゲとは

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出所)https://www.goodfreephotos.com/animals/reptiles-and-amphibians/frilled-lizard-chlamydosaurus-kingii.jpg.php

分布

オーストラリアおよびパプアニューギニアに生息しています。国内でペット用に流通するのは、主にパプアニューギニア産の野生捕獲個体か、オーストラリアの「クイーンズランド」産の繁殖個体になります。

生態

エリマキトカゲは樹上性のトカゲなので普段は木の上で生活しています。
と言っても餌を食べる時などは地表に降りて活動することもあるので、木の上でしか見つからない、というわけではないようです。

大きさ

大きさは約60~90㎝ですが、ほぼ半分が尻尾です。なので想像よりは小さいトカゲに見えると思います。
一般的にはパプアニューギニア産の個体の方が小さく、オーストラリアのクイーンズランド産の方が大きくなる、と言われていますが、実態のところではそれほどの差はないようです。単純な個体差のようです。また、稀に「Small Form」という名前で島産の小さなエリマキトカゲが販売されることがあります。こちらはアダルトになっても小さい個体になるようです。

販売されている個体はまだ小さなベビーの繁殖個体か、大きな野生個体になります。オーストラリア産の繁殖個体は基本的にベビーしか出回りません。

見た目

見た目は、、普通のトカゲです。というと誤解を招きそうですが、襟巻きは確かについているのですが普段は畳んでいるので目立ちません。

基本的には襟巻きを広げるのは威嚇の時だけです。なので飼育下に置いて襟巻きを広げるシーンは滅多にないですし、よっぽど怖がらせないと広げないのでストレスになります。

ただ、とはいえ、餌を食べるときや水を飲むときなどは襟巻きをパタパタさせるので可愛いです。全く襟巻きを堪能できない、というわけではないです。

色はパプアニューギニア産はグレー、オーストラリア産は襟の一部や体の一部が赤くなる傾向があります。全身真っ赤な個体もオーストラリアには生息しているようですが飼育個体で流通したことはないと思います。

エリマキトカゲは走るの?

エリマキトカゲは二本足で走る、というイメージをお持ちの方もいるかもしれません。確かにエリマキトカゲは地面を歩く時に、後ろ足だけで走る傾向にあります。飼育下でも動く際は立ち上がって走る様子を確認できます。

ただ、エリマキトカゲは水面を走ることはできません。それは「バジリスク」という別のトカゲになります。

エリマキトカゲのCM、イラスト

エリマキトカゲは1984年に放送されたテレビCMでエリマキトカゲが抜擢された事で一大ブームを巻き起こしたのです。

当時は爬虫類飼育が一般的ではなかった事もあり、エリマキトカゲや襟巻を広げて走る姿を知らない人が多くいました。

その為、テレビCMをキッカケに爆発的な人気を誇り、エリマキトカゲが一大ブームとなりました。様々なグッズが販売されたりエリマキトカゲが日本に輸入されたりしました。

また、オーストラリアにおいてもエリマキトカゲは有名なトカゲで、そのイラストは2セント銅貨に描かれていたこともあります。国を代表するトカゲということですね。

 

2.エリマキトカゲを購入しよう

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販売されている場所

・総合ペットショップ
・ホームセンター
・爬虫類専門店
・爬虫類イベント

総合ペットショップには爬虫類コーナーがあるところが多く、飼育用品や餌も販売されています。ただ入門種をよく取り扱っていることが多いので、エリマキトカゲが販売されているかどうか事前に聞いておく方がいいかもしれません。

ホームセンターでも近年では爬虫類を販売しているところが増えています。しかし店員さんが爬虫類に詳しいかどうか、また飼育用品が充実しているかどうかはお店によるところです。ペットショップと比べると取り扱っている種類は少ないかもしれません。

初心者の方は爬虫類専門店で買うのをおすすめします。飼育に詳しい店員さんがいて飼育用品も揃ってあるので安心して購入できます。特にエリマキトカゲは爬虫類専門店であれば定期的に入荷するので色々質問もしやすいと思います。

爬虫類イベントではお店よりも安く爬虫類を購入することができます。イベントで購入する場合は、事前に飼育用品を揃えてセットしておくべきです。また混雑している場合は店員さんに話しかけづらいなどの心配点があります。

価格

エリマキトカゲの価格は野生個体で平均約2万円~3万円ほどです。
オーストラリア産のクイーンズランド個体は10万円を超えるような個体も販売されています。

クイーンズランド個体は体色に赤色が発色するということもあり、人気があり高額です。ただ、野生個体は神経質な場合も多く、繁殖個体の方が飼育しやすい場合が多いため値段だけで野生個体を購入するのは危険です。よく個体を観察したり店員に質問したりしてから購入しましょう。

3.エリマキトカゲの飼育に必要なもの

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ここからはエリマキトカゲの飼育に必要なアイテムを紹介していきます。
できれば生体を迎える前に揃えてセットしておくと、お迎え当日スムーズに家に連れて帰ることができます。
以下のものが飼育に必要になります。

・ケージ
・枝などの登れるもの
・水やり用のドリッパー
・床材
・バスキングライト、紫外線ライト

ケージ

エリマキトカゲは樹上性トカゲなので、高さのあるケージを選びましょう。
また、大きくなるトカゲなどで幅も必要です。
高さ45㎝幅90㎝あるケージであれば十分飼育できます。

枝などの登れるもの

枝や流木などを入れてエリマキトカゲが登れる場所を作りましょう。
爬虫類専門店で販売されている流木でエリマキトカゲが登っても耐えることができそうなサイズの流木を選びましょう。
また、観葉植物などを入れてもいいでしょう。

ただ、飼育下では日中地面で寝ている姿を確認することも多いです。枝や流木をたくさん設置しなければならない、ということではないです。

水やり用ドリッパー

エリマキトカゲは水容器を置いていても水を認識することができません。水面が揺れていることで、水を認識することができます。

なので、水をケージの上部から落としてあげることが必要になります。そこで活躍するのがドリッパーです。水量を自由に調節できるこちらの商品がとても使いやすいです。

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水入れから水を飲んでいる姿が見られなければ、ケージの内側に霧吹きしてあげましょう。
垂れてくるしずくや植物の葉について水滴をペロペロと舐めてくれると思います。

また、スポイドで水を顔に垂らしてあげて飲ませることも可能です。頭に水がかかったことで水を認識して舐めてくれます。

水分要求量は多いトカゲですので毎日水をあげるようにしてあげると良いと思います。

床材

湿度を保ちやすい素材のものがいいです。
床材には以下のようなものがよく使われています。

ヤシガラ保湿性が高く見た目もいいです。燃えるごみとして出せるのもメリットです。
爬虫類用ソイル保湿性が高く、バクテリアが繁殖してフンなどを分解してくれます。生体が良く湿ったソイルを踏んだあとケージ内が汚れてしまうことがあります。
ミズゴケ保水力や弾力性があります。前面に敷く場合は濡らしすぎなどに注意しましょう。
バークチップ園芸用で安く販売されており湿度や温度を保ってくれます。見た目も美しいです。
キッチンペーパーやペットシーツなどの紙類見栄えを気にしなければコストがかからず汚れたら頻繁に交換でき、床材として使えます。保湿性が低く、成体の誤飲の危険もあるのでよく観察しましょう。

ヤシガラは移動時の足場になり、見た目も自然な雰囲気で特におすすめです。
爬虫類用品として販売されているものは生体の安全を考えて作られています。

バスキングライト、紫外線ライト

エリマキトカゲの適温は約25~30℃です。

ただ、温度に関しては高低差があり、自由にエリマキトカゲが移動できる環境を作ってあげることが重要です。なので、飼育ケージの一部にバスキングライトを照射することで、その部分だけ他より少し暖かいという環境を作り出すことができます。

ただし、夏場は締め切った部屋だと室温が30℃を超える場合があり危険です。
クーラーで温度管理するのが1番です。

またエリマキトカゲは紫外線を必要とします。紫外線ライトの下で日光浴をしているシーンは飼育しているとよく見かけますので、必ず紫外線ライトを照射するようにしましょう。また、暖かい日は定期的に日光浴をさせるということも良いです。

4.エリマキトカゲの飼い方

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出所)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%83%9E%E3%82%AD%E3%83%88%E3%82%AB%E3%82%B2

餌、サプリメント

エリマキトカゲは動くものに反応して食べる性質があります。なので基本的には与える餌は生きた昆虫となります。

・コオロギ
・デュビア
・ミルワーム

などを与えます。

どれもペットショップなどで手に入ります。

爬虫類を飼育している人の中で最も定番とされているのがコオロギです。
ペットショップやホームセンターで販売されていて簡単に入手できます。小さいサイズから大きいサイズまで多様なサイズのコオロギを購入することができるのでエリマキトカゲの大きさに合わせた餌を用意することが簡単です。

ただ、コオロギは大量に購入して管理しておくことが難しいです。少し多めに買って家にある余った虫かごに入れておこう!と思うかもしれませんが、それが結構難しいのです。

コオロギは意外にも繊細でストレスに弱いので、ちゃんと管理しなければすぐに死んでしまいます。飲み水がなくなったり、湿度が高すぎたりすると大量死していまいます。ですので必要な量だけを定期的に爬虫類店舗などで購入することが求められます。

餌になる虫の管理までする自信がないという方はミルワームがおすすめです。
カップにたくさん入っており冷蔵庫で保存すれば餌を与えなくても管理できるため、管理がとても楽です。エリマキトカゲもミルワームはよく食べてくれるので主食とすることは可能です。ただしミルワームは栄養素が少し少ないと言われていますので、栄養価の高い餌をミルワームに食べさせた上でエリマキトカゲに与える手法をお勧めします。

目安としては成体には2〜3日に1度、幼体には毎日餌を与えることがおすすめです。ただし、個体によってどれだけ食べるかは差がありますので様子を見ながら与えるようにしてください。エリマキトカゲは体も大きいためかなりの量を食べます。肥満には注意しながらも様子を見ながら求める量をあげるようにしましょう。

また昆虫や人工飼料だけでは不足しがちなカルシウムやビタミンはサプリメントで補いましょう。
爬虫類用のサプリメントを昆虫にまぶしたり、人工飼料につけて与えるだけです。

特にベビーの時期は毎日添加してあげてください。

あまり生きた昆虫を扱いたくない、という方は冷凍コオロギや乾燥コオロギを与えるということも出来なくはないです。ただし、最初は生きたコオロギをピンセットで与えて、ピンセットに摘まれているもの=餌と認識させた上で冷凍コオロギや乾燥コオロギをピンセットで摘んで与えるといった努力が必要になります。

温度と湿度

エリマキトカゲの適温は約25~30℃です。
寒いと食欲が落ちて病気の原因にもなります。

また暖かいところにいた生き物だから暑さには強いのだろうと考えてはいけません。
日本の真夏はエリマキトカゲにとっては暑すぎます。

ケージ内には温度計を入れて適温を保てているか毎日チェックしましょう。

ハンドリング

エリマキトカゲは大人しい性格のため、慣らせばハンドリングは容易にできます。
日頃ハンドリングに慣れておけばケージ内の掃除や体調の確認など、ストレスを与えることなく触れることができるので是非練習しておきましょう。

ハンドリングする際には生体を驚かせないよう優しく掴み、落ちないように手に乗せてください。
もし手の上から移動するようであれば無理に止めず落ちないよう自分も動きに合わせましょう。

ハンドリングは長時間を避け、生体の様子をよく見ながら行いましょう。

繁殖

エリマキトカゲってどんなトカゲ?特徴や飼い方を解説 - エリマキトカゲってどんなトカゲ?特徴や飼い方を解説
エリマキトカゲの飼育に慣れてきたら、繁殖にチャレンジしてみるのもいいでしょう。
生後2年ほどで性成熟するので繁殖が可能になります。

オスとメスの相性がよければ産卵してくれます。もしオスとメスを一緒にして喧嘩をするようであればすぐに離しましょう。
1度に5~10個の卵を産むので、すぐに暖かい場所へ隔離し約2か月ほどで孵化します。

ベビーが食べられるような小さなコオロギなどを用意しておきましょう。

繁殖をさせる場合には生まれたベビーを飼育するのか、またどこかに譲るのかを決めておくなど計画的に行いましょう。

5.エリマキトカゲを飼ってみよう

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出所)http://www.natukashi-mono.com/pet/

エリマキトカゲの飼育の仕方としてはフトアゴヒゲトカゲの飼育の仕方に近いものがあります。なので所謂トカゲ飼育において必要なセットが一式必要となり、ケージも大きいサイズが必要となるトカゲです。

ただ、画像やイラストでしか目にしないような特徴的な爬虫類であるエリマキトカゲを飼育できるのは素晴らしいことです。日常に彩りを与えてくれるような存在になるでしょう。

是非この記事を参考にエリマキトカゲの飼育にチャレンジしてみてください!
よければ以下の記事もご覧ください。

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