これから飼育を始める人向け

ケヅメリクガメってどんなカメ?特徴や飼い方を詳しく紹介!

「ケヅメリクガメ」という爬虫類の名前を聞いたことはありますでしょうか?大きくなるリクガメの種類で、動物園などでも見かけます。

今回はそのケヅメリクガメについてどんな生き物なのか、基本的な生態や飼い方について解説していきます。

飼い方を学べば初心者の方でも飼育することができます。
爬虫類の飼育に興味のある方は、是非この記事を参考にケヅメリクガメの飼育にチャレンジしてみてください。

1.ケヅメリクガメとは

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出所)https://www.tobezoo.com/animals/library/article/000555.html

ケヅメリクガメはアフリカに生息するリクガメの一種です。セネガルからモーリタニア、マリ、ブルキナ・ファソ、ニジェールなどを経て、チャド、スーダン、エチオピア、エリトリアなど、サハラ砂漠の南に沿って、アフリカの西海岸から紅海に至る地域に生息しています。

生態

砂漠の周辺やサバンナなどに生息し、イネ科の植物や草類、低木の葉、花、果実などを食べますが、主には水分を含んだ多肉植物を食べています。
一般に早朝や夕暮れ時に活動し、気温が上がる日中は巣穴の中などで休んでいることが多いです。

これらのカメを見つけることができる地域は、草原、乾燥したまばらな人工林、半砂漠です。気候は暑く乾燥しており、気温が 40 度に達することも珍しくありません。通常、夜間でも気温は 15 ℃ を下回ることはありません。

大きさ

平均すると甲長40~50cm、体重35~45kg程になるものが多いです。が、大きいものでは甲長90cm程に成長するとされています。

30kgを超える成体を持ち抱えるのはかなり厳しいでしょう。またそのようなサイズになるということは力も強いです。ガラスのドアを突き破るといった事例を聞いたこともあります。

とにかくケヅメリクガメは大きくなることを認識しておいてほしいです。ベビーは小さくてとても可愛いんですけどね・・。

性格

ケヅメリクガメは基本的には動きもゆっくりしているのでハンドリングも可能です。

ただ、爬虫類は人に触られて喜ぶ生き物ではありません。適切な触れ合い方で接していけば早く懐いてくれます。そして生き物なのでそれぞれに性格があることを理解した上で飼いましょう。

2.ケヅメリクガメを購入しよう

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販売されている場所

・総合ペットショップ
・ホームセンター
・爬虫類専門店
・爬虫類イベント

総合ペットショップには爬虫類コーナーがあるところが多く、飼育用品や餌も販売されています。そのような所でケヅメリクガメを販売していることを見かけるかもしれません。

ホームセンターでも近年では爬虫類を販売しているところが増えています。しかし店員さんが爬虫類に詳しいかどうか、また飼育用品が充実しているかどうかはお店によるところです。ペットショップと比べると取り扱っている種類は少ないかもしれません。

初心者の方は爬虫類専門店で買うのをおすすめします。飼育に詳しい店員さんがいて飼育用品も揃ってあるので安心して購入できます。

また、専門店であれば様々なケヅメリクガメを取り扱っていることが多く、その中からお気に入りの一匹を見つけることができます。ケヅメリクガメは入荷時にはベビーで大量に入荷される傾向にあるので、色々な生体を見た上で気に入った個体を購入するのが良いです。

ただ近年入荷量が減っています。供給側の問題ではなく容易に飼育できる種類ではないことから販売を避けるお店が減っているのかもしれません。事前に店舗に相談し、在庫はあるか・入荷は可能かということを聞いてからお店を訪問することをお勧めします。

爬虫類イベントではお店よりも安く爬虫類を購入することができます。イベントで購入する場合は、事前に飼育用品を揃えてセットしておくべきです。また混雑している場合は店員さんに話しかけづらいなどの心配点があります。

ケヅメリクガメの値段

一般的には数万円程度の個体が多いと思います。定期的に爬虫類ショップに繁殖個体のベビーがまとめて入荷します。

ただ、ケヅメリクガメの特殊個体(アルビノ個体やアイボリーなど)は非常に高額となっており、ベビーで100万円以上で販売される個体もいます。そういった特殊個体を購入したいという場合は専門店にお願いして仕入れてもらうというのも一計です。

3.ケヅメリクガメの飼育に必要なもの

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出所)https://www.cheloniophilie.com/Fiches/Centrochelys.php

ここからはケヅメリクガメの飼育に必要なアイテムを紹介していきます。
できれば生体を迎える前に揃えてセットしておくと、お迎え当日スムーズに家に連れて帰ることができます。
以下のものが飼育に必要になります。

・ケージ
・シェルター
・水入れ
・床材
・バスキングライト・紫外線ライト・保温球

ケージ

ケヅメリクガメの飼育には、大型のケージが必要です。ベビーの時は90cmケージで問題ないですが、あっという間に成長します。最初から大型のケージを用意しておきましょう。といってもケージは爬虫類用ケージでは適当なものを見つけることが困難です。猫用のケージや植物用の温室などを活用している人が多いです。

理想は部屋を一つケヅメリクガメが自由に動き回れるように解放することです。もしくは野外で飼育する選択肢もあります。アメリカの暖かい地域などではケヅメリクガメを屋外で飼育することが一般的です。大きさ的にも、野草を食べて回れるという意味でも屋外飼育は良い点があります。

ただ野外の場合は冬の温度にケヅメリクガメが耐えることができないため、冬は保温するスペースが必要です。また、窃盗であったり猫などに襲われるリスクもあります。

とにかく飼育する前にアダルトのサイズ感を見て問題ないかを考えた上で購入することを勧めます。また、逃げれないように蓋をしっかりと閉めるケージにしましょう。大型の爬虫類が野外に脱走した場合ニュースになることもあります。無用な摩擦を生まないように気をつけましょう。

シェルター

落ち着かせるために隠れる場所を設置しましょう。特にベビーの頃は臆病なので隠れる場所があると安心します。

大きくなるにつれて臆病な性格ではなくなり、シェルターも不要になります。

水入れ

水入れは水を飲むために必要です。サハラ砂漠の南端にある半乾燥草原地域に生息することから、人々は水を飲まない、またはいかなる種類の水も必要としないという誤解をすることがありますが、それは非常に間違っています。ケヅメリクガメにとって赤ちゃんの水分補給は最も重要です。

また、ケヅメリクガメの甲羅を綺麗に維持する上でも必要です。湿度が高い環境はカメの甲羅がスムーズに成長するのを助け、カメの水分を保つのに役立ちます。適切な湿度のない状態で飼育されたカメは、成長するにつれて急速に脱水し、「でこぼこの」甲羅を形成する傾向があります。

甲羅がでこぼこになることで命に関わるということはないですが、見た目が少し良くないです。綺麗な甲羅のまま大きくなるように気をつけてお世話をしましょう。

床材

湿度を保ちやすい素材のものがいいです。
床材には以下のようなものがよく使われています。

ヤシガラ保湿性が高く見た目もいいです。燃えるごみとして出せるのもメリットです。
爬虫類用ソイル保湿性が高く、バクテリアが繁殖してフンなどを分解してくれます。生体が良く湿ったソイルを踏んだあとケージ内が汚れてしまうことがあります。
ミズゴケ保水力や弾力性があります。前面に敷く場合は濡らしすぎなどに注意しましょう。
バークチップ園芸用で安く販売されており湿度や温度を保ってくれます。見た目も美しいです。
キッチンペーパーやペットシーツなどの紙類見栄えを気にしなければコストがかからず汚れたら頻繁に交換でき、床材として使えます。保湿性が低く、成体の誤飲の危険もあるのでよく観察しましょう。

ケヅメリクガメは湿度が高い方が良いので湿度を保ちやすいヤシガラや爬虫類用ソイルなどを使うと良いです。

バスキングライト・紫外線ライト・保温球

まず、昼行性のカメなのでバスキングライトと紫外線ライトは必ず設置しましょう。飼育下ではよく日光浴をするシーンを見かけます。

ケヅメリクガメは紫外線を求めます。屋内で飼育する際には強力な紫外線ライトをつけましょう。屋外で飼育する場合は太陽光が当たるのであればライトは必要ないです。

次にケヅメリクガメはアフリカ原産の亀ですので寒さは苦手です。温度が極端に下がると生体が亡くなってしまうリスクがあります。それを避けるために常に一定の温度をキープしておいた方が安全です。

一番安価でお手軽な方法は、保温球を設置することです。大型の保温球を設置することで大型のケージの内部を温めることができます。

エアコンで部屋全体の温度管理をする、というのも一計です。ケージが大きすぎて保温球では温まりきらない場合はエアコンを活用しましょう。

4.ケヅメリクガメの飼育方法

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出所)https://www.everythingreptiles.com/sulcata-tortoise/

ケヅメリクガメの餌は野菜や果物です。小松菜・サニーレタス・人参・トマト・バナナ・リンゴなど幅広く野菜や果物を食べます。ネギなどの刺激物は与えないようにして、幅広い野菜や果物を与えましょう。

リクガメ向けの人工飼料も販売されています。固形物になっているので水でふやかして与えましょう。人工飼料は相性があるので全てのケヅメリクガメが食べてくれるわけではありません。試しに与えてみて反応を見ましょう。

餌やりは幼体の場合は毎日、成長したら頻度を減らして週に2〜3回ほどが目安の頻度です。ただ、飼育環境や個体差によって異なるので様子を見ながら与えるようにしましょう。

飼育下では野生に比べ運動量が少なく、肥満になりやすい傾向にあります。体重を管理し、増えすぎないように管理しながら餌を与えるようにしましょう。どうしても運動不足になりがちな飼育下では肥満になるリスクが高いです。

ハンドリング

ケヅメリクガメは慣らせば容易にハンドリングできるようになります。
日頃ハンドリングに慣れておけばケージ内の掃除や体調の確認など、ストレスを与えることなく触れることができるので是非練習しておきましょう。

ハンドリングする際には生体を驚かせないよう優しく触れ合うようにしましょう。素手で触れ合うのは傷がつく可能性が高いので革手袋などをして触れ合う方が安全です。

ハンドリングは長時間を避け、生体の様子をよく見ながら行いましょう。

日常のお世話

餌やりや糞の掃除以外に日常のお世話でしておくべきことは「爪切り」です。運動量が不足し、自然下とは異なり硬い石の上などを移動しない飼育下においては爪が伸びすぎることが多いです。

爪が伸びすぎるとハンドリング時に傷つけられる可能性が高まりますし、ケヅメリクガメとしても歩きづらくなります。

そこで爪の先端を爪切りなどで切ってあげると良いでしょう。深爪すると血が出てくる可能性があるので先端だけにとどめ、定期的にメンテナンスしてあげてください。

5.ケヅメリクガメを飼ってみよう

ケヅメリクガメの迫力は素晴らしく、まるで恐竜を飼育しているかのような気分を味わえる生き物です。また、野菜や果物を食べることから餌の確保には苦労しないという意味でも飼育しやすいと言えます。

ただ、大きなスペースが必要となるので手軽に飼育できるとは言えません。またパワーも強いため、小さな女性など力に自信がない方は避けた方が良い生き物かもしれません。

販売されている時はベビーで可愛らしい姿ですが一年も経つと大きくなり恐竜のような雰囲気になります。購入時にはアダルトの様子を事前に確認した上で覚悟を持って購入しましょう。

ただ、他の生き物では味わえない体験をすることができる、素晴らしい生き物です。覚悟を持って飼育すれば必ず素敵な体験になることでしょう。

平均寿命は約30年と言われており、長生きする生き物です。
最後まで愛情を持ってお世話できるかどうかよく考えてからお迎えしてくださいね。

是非この記事を参考にケヅメリクガメの飼育にチャレンジしてみてください!
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