日本では、肉食爬虫類用の餌はマウスやラットが主流です。しかし、他にも与えられる餌があるのはご存知でしょうか。
「普段食べていた餌を急に食べなくなった」
「色々な種類の餌を交互に与えたい」
こんなとき、冷凍餌のバリエーションを知っておくと非常に便利ですよ。
今回の記事では、雑食・肉食爬虫類向けの冷凍餌についてご紹介します。
- マウス以外にどんな餌があるのか知りたい
- 冷凍餌の解凍方法を知りたい
- 値段はどのくらいか知りたい
- 安全な餌はどこで購入できるか知りたい
こんな方は必読です。ぜひ参考にしてください。
爬虫類用の冷凍餌の種類
最初に、爬虫類用の冷凍餌にはどのくらい種類があるのか見てみましょう。肉食向けの冷凍餌だと、代表的なのは以下の6種類です。
- 冷凍マウス
- 冷凍ラット
- 冷凍ヒヨコ
- 冷凍ウズラ
- 冷凍カエル
- 冷凍ブタ
それぞれどういった餌なのか特徴を解説します。
冷凍マウス
冷凍マウスは、ハツカネズミを餌用に養殖したもの。肉食向けの餌の中では最もメジャーなものの一つです。
ピンクマウスからアダルトマウスまでサイズが豊富で栄養価も高いため、多くの爬虫類・両生類の餌に利用できます。
- ヘビ類全体
- ツノガエル
- 中型までのトカゲ
などの主食としてよく採用されます。ラットと比べると食べ応えでは劣るため、中型以上の個体では途中からラットに切り替えるケースが多いです。
冷凍ラット
マウスより大きい冷凍ネズミ。率直に言うと餌用に育てられたドブネズミです。生まれたてのファジーラットでも7〜8cmのサイズがあり、アダルトマウスのLサイズとほぼ同程度の大きさがあります。
ラットの最大サイズは20cm以上。種類にもよりますが、多くの肉食爬虫類の主食として与えられます。
冷凍ヒヨコ
みなさんご存知、ニワトリのヒナです。マウスやウズラほどメジャーな餌ではないため、爬虫類ショップでも取り扱っていないことがあります。
栄養価はネズミの方が優れているため、効率よく栄養をとらせたいのであれば、同じサイズのマウスを与える方が良いでしょう。価格はヒヨコの方がマウスより安いことが多いです。
栄養面ではマウスに劣りますが、ウズラと並ぶヘルシーな餌として肥満防止に使われることがあります。
冷凍ウズラ
肉食爬虫類の餌としてネズミ類に次いでメジャーなのがウズラです。猛禽類の餌としても知名度があります。
こちらもマウスと比較すると低価格のため、マウスやラットの代替品や、併用して与える方が多いです。雛ウズラから成鳥までサイズが充実しているので、ネズミ類と同じように生体のサイズに合わせてサイズアップできます。
冷凍カエル
餌用の冷凍カエルは、そのほとんどが養殖されたアフリカツメガエルです。
小型ヘビのおやつや、カエルを専食するヘビの主食として活躍しています。どちらかと言えば古代魚の餌として有名です。
冷凍ブタ
冷凍の子ブタ。アダルトラットでもボリューム不足になる大型〜超大型爬虫類向けの餌です。特定動物の大蛇やワニなどの餌としてよく利用されます。ブラッドパイソンなど大型のボア類のアダルトに与えるケースもあるようです。
冷凍餌を解凍する方法
冷凍餌を爬虫類に与える際の解凍方法について、以下の二つのポイントをご紹介します。
- 冷凍餌を解凍する手順と確認方法
- 餌が冷えたまま爬虫類に与えるとどうなるか
それぞれ詳細を見ていきましょう。
冷凍餌を解凍する手順と確認方法
Photo by Tony Webster
冷凍餌の解凍は、お湯を使った方法がおすすめです。
電子レンジの解凍機能も使えますが、内臓が爆発してレンジを汚す、解凍具合にムラができるといった問題があるのでおすすめできません。
冷凍餌の解凍は以下の手順で行います。
- 解凍用の耐熱容器を用意する
- 冷凍餌を入れ50℃程度のお湯を注ぐ
- 温度が下がってきたらお湯を足す
- 様子を見つつ中まで解凍する
解凍用の容器はなんでも構いません。餌のサイズにあった耐熱容器なら100均のタッパーなどでもOKです。ピンクマウス2〜3匹程度ならお惣菜用の中型タッパーで良いでしょう。
慣れないうちは5分に一度程度様子を見るようにしましょう。餌のお腹を触ってみて、中まで温まりぷにぷにと柔らかくなっていたら解凍完了です。
溶けていてもまだ冷たい場合は、ぬるま湯でもう少し温めてください。
餌が冷えたまま爬虫類に与えるとどうなるか
中途半端に解凍された冷たい餌は、爬虫類の体調を崩す原因となります。
爬虫類は変温動物ですので、自分で体温を調節することができません。冷たい餌を食べて内臓が冷えてしまうと、生体の体に悪影響を及ぼす場合があります。
- 消化不良を起こす
- 餌を吐きもどす
- 餌がお腹の中で腐敗する
このような事態に陥る可能性があります。冷凍餌は中まで解凍できたことを確認してから与えてください。
冷凍餌の値段はどのくらいか

冷凍餌の値段はどの程度なのでしょうか。インターネット通販で冷凍餌を取り扱っている業者4社の餌の価格を調査し、餌一匹あたりの平均価格を計算してみました。
マウス | 80~220円 |
---|---|
ラット | 490~710円 |
ヒヨコ(初生) | 30~80円 |
雛ウズラ | 50~150円 |
子ブタ | 1000~1500円 |
カエル | 50~120円 |
以上はあくまで一例です。冷凍餌は業者によって価格にかなりばらつきがあります。購入の際は注意してください。
冷凍餌は購入元によって品質が違うので注意が必要
冷凍餌を購入する上で注意する必要があるのが、品質のばらつき。
冷凍餌の管理方法は業者によって差があるのが現実です。人間用の食肉と同程度の衛生管理・健康管理がなされているところもあります。その一方、明らかに病気の個体とわかる腫瘍だらけの粗悪品や、解凍すると腐敗臭のする製品が混ざるケースも。
初めて利用する業者の餌は、与える前に品質チェックを行うのがおすすめです。
- 餌に腫瘍や異常な点がないか目視チェックする
- 解凍後お腹を開いて腐敗臭がしないか確認してみる
などの方法で事前確認できます。低品質の餌を与えることをある程度防止できるので実践してみてください。
おすすめの冷凍餌メーカー
次に、爬虫類飼育者に人気の冷凍餌メーカーのご紹介です。
肉食爬虫類を長年飼育している人であれば、いつものショップやメーカーから購入している場合が多いでしょう。しかし、馴染みのショップがない初心者や、いつもの店が在庫切れしている場合は初めての業者からの購入を検討することになります。
そんな方向けに、ネット上で評判の高い二つの冷凍餌メーカーをご紹介します。どのショップがいいか迷ったら候補に入れてみてください。
月夜野ファーム
餌昆虫で有名な月夜野ファームは、冷凍マウスやウズラなども取り扱っています。
月夜野ファームの冷凍餌は爬虫類飼育者の間で人気が高いです。品質管理を徹底しており、急速冷凍して発送されるまで無菌環境で管理されています。
拒食の個体が食べた例や、月夜野ファームの餌しか食べないケースもあり、生体達の食いつきも良好です。
爬虫類ショップに卸販売を行なっている他、楽天からも購入可能です。
カタ養殖
リアルな話させていただきます。
ベビーのボールたちが拒食したらとりあえずカタ養殖のマウスをあげなさい1週間嫌々してた子達の反応がやばいどす pic.twitter.com/dJlCGPuaiq— 鱗【蛇野郎】 (@uroko_0411) September 24, 2019
こちらも飼育者に人気のある冷凍餌業者、カタ養殖です。肉食爬虫類向けのマウスやラットを主に取り扱っています。飼育生体の食いつきの良さに定評があり、リピーターが多いのが特徴です。
業者向けの卸販売を主に行っていますが、楽天を通して個人でも購入できます。
まとめ
以上、冷凍餌の種類と解凍方法、解凍時の注意点などをご紹介しました。
飼育している生体の種類や状況によって、適している餌は異なります。日頃から健康状態や嗜好をチェックしてぴったりの餌を選びたいところです。
また、業者によって冷凍餌の品質に大きく差があります。いつものショップの品切れに備え、信用のおける業者を複数調べておくのがおすすめです。
餌選びは飼育生体の健康に直結します。なるべく高品質のものを与え、生体の健康維持に努めたいですね。今回の内容をまとめます。
- 冷凍餌はネズミ以外も種類がある。生体の嗜好や成長に応じて選ぼう
- 解凍はお湯につけて行う。中までとけたか要確認
- 冷凍餌の品質はばらつきがある。初めての業者の餌はチェックする
「どこの業者を選べばいいかわからない」「どんな餌がいいか迷う」こんな場合は、ぜひ今回の内容を見返してみてください。