基礎知識

爬虫類の特定外来種生物について

「爬虫類の特定外来種生物について」のコンテンツは環境省の「外来種対策」ページ (https://www.env.go.jp/nature/intro/index.html)を元に、わかりやすく加工して作成したものです。

特定外来種生物とは

特定外来種生物とは、海外起源の外来種で、日本の生態系や人間・農林水産業へ被害を及ぼす可能性のある生き物のことです。生き物は個体だけでなく、卵も含まれます。そして、日本には現在、なんと2000種ほどの特定外来種生物が確認されています。

外来種

単純に外来種と言った場合は、海外起源に限らず国内由来の外来種も当てはまります。本来は九州にしか生息しない生き物が、北海道に入ってきた場合が国内由来の外来種に該当します。

特定外来生物で禁止されていること

例外はありますが、下記についての禁止事項があります。

  1. 飼養等((飼育・栽培・保管・運搬))が原則禁止
  2. 輸入が原則禁止
  3. 野外へ放つことを原則禁止
  4. 飼養等する許可を持っていない人への譲渡・引渡しが禁止
  5. 許可を受けて飼養等する場合、あらかじめ定められた特定飼養等施設内に限る
kisei - 爬虫類の特定外来種生物について

違反した場合の罰則

違反した場合の罰則は外来生物法によって定められ、下記の表の通り罰則が課せられます。ここでは法人ではなく、個人が違反をした場合の金額を掲載します。

行為(特定外来生物)罰則
許可無く輸入した場合3年以下の懲役または300万円以下の罰金
許可を受けていないものに販売や配布をした場合3年以下の懲役または300万円以下の罰金
許可なく販売・配布目的で飼養等をした場合3年以下の懲役または300万円以下の罰金
許可なく愛玩目的で飼養等をした場合1年以下の懲役または100万円以下の罰金
不正をして飼養等の許可を受けた場合3年以下の懲役または300万円以下の罰金
許可なく野外に放った場合3年以下の懲役または300万円以下の罰金

ペットとして飼育は認められていません

特定外来生物を新たにペット・鑑賞目的で飼育することは認められていません。((法第5条第1項、施行規則第3条))

怪しいと感じたら、爬虫類・両生類の特定外来生物の一覧から探し、該当する場合は外来種被害予防三原則を徹底したいですね。

※ 学術研究、展示、教育、生業の維持等の目的で行う場合については、主務大臣の許可を得ることで飼養等をすることが可能です。

規制される前から飼育していた方は

特定外来生物として規制される前からペットとして飼育している場合、規制されたから6ヶ月以内に申請を提出することで、許可を得られれば飼育を続けることができます。

該当する方は特定外来生物飼養等許可申請から詳細を確認してください。

 

爬虫類の特定外来生物一覧(全21種類)

2017年8月1日現在

カミツキガメ
ハナガメ(タイワンハナガメ)
ハナガメ×ニホンイシガメ
ハナガメ×ミナミイシガメ
ハナガメ×クサガメ
スウィンホーキノボリトカゲ
アノリス・アルログス
アノリス・アルタケウス
アノリス・アングスティケプス
グリーンアノール
ナイトアノール
ガーマンアノール
アノリス・ホモレキス
ブラウンアノール
ミドリオオガシラ
イヌバオオガシラ
マングローブヘビ
ミナミオオガシラ
ボウシオオガシラ
タイワンスジオ
タイワンハブ

両生類の特定外来生物一覧(全15種類)

2017年8月1日現在

コキーコヤスガエル
ジョンストンコヤスガエル
オンシツガエル
アジアジムグリガエル
プレーンズヒキガエル
キンイロヒキガエル
オオヒキガエル
アカボシヒキガエル
オークヒキガエル
テキサスヒキガエル
コノハヒキガエル
ヘリグロヒキガエル
キューバズツキガエル
ウシガエル
シロアゴガエル

 

外来種被害予防三原則

  1. 入れない ~悪影響を及ぼすおそれのある外来種を自然分布域から非分布域へ「入れない」。
  2. 捨てない ~飼養・栽培している外来種を適切に管理し、「捨てない」(逃がさない・放さない・逸出させないことを含む)。
  3. 拡げない ~既に野外にいる外来種を他地域に「拡げない」(増やさないことを含む)。

爬虫類飼育者として外来種被害予防三原則はしっかり守りたいですね。