これから飼育を始める人向け

カーペットパイソンってどんな蛇?特徴や飼い方を詳しく解説!

「カーペットパイソン」という蛇をご存知でしょうか?主にオーストラリア原産の蛇の種類なのですが、近年人気があり流通量が増えている種類です。ボールパイソンやコーンスネークなどに比べると知名度は劣りますが、様々なカーペットパイソンを集めるマニアはたくさんいます。

今回はそのカーペットパイソンについてどんな生き物なのか、基本的な生態や飼い方について解説していきます。

飼い方を学べば初心者の方でも飼育することができます。
爬虫類の飼育に興味のある方は、是非この記事を参考にカーペットパイソンの飼育にチャレンジしてみてください。

1.カーペットパイソンとは

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出所)https://www.reptarium.cz/en/taxonomy/Morelia-spilota/photogallery/15460

カーペットパイソンはニューギニア島やオーストラリアに生息する蛇です。正確には「カーペットパイソン」という蛇はおらず、複数の蛇の種類の総称になります。

具体的には以下の種類が該当します。

セントラルパイソン
別名はセントラルカーペットパイソンです。主にセントラルパイソンという名前で販売されています。オーストラリアに生息する蛇で彼らの生息地は、隠れるのに理想的な小さな洞窟や裂け目がたくさんある低い山脈で構成されています。

セントラルパイソンは、他のカーペットパイソンよりも外観の多様性が少なく、通常は赤褐色で、白からベージュのドットやバンドが見られます。平均全長は2mです。ただ大人しく扱いやすい個体が多いと言われています。

ラフスケールパイソン

オーストラリア北西部に生息します。1981年に認定された新しい種類で、流通も少ない珍しい蛇です。体色は、淡い茶色の斑点のある濃い茶色です。三角形の頭と細い首を持っています。ざらざらした紙やすりのような触り心地がします。

自然下でもあまり発見されておらずデータが少ないのですが、全長は2m以下であるとされています。

ダイアモンドパイソン

オーストラリアの東海岸に生息しています。屋根裏部屋などの建物の中や周辺にも住んでおり、裏庭でダイアモンドパイソンを見つけるのは珍しいことではないようです。

体色は全身が黒っぽく、スポットとして白や黄色のカラーが入る個体が一般的になります。

平均全長は2~2.5mで、穏やかな気質で扱いやすく、飼育下では非常に人気のあるヘビです。

ジャングルカーペットパイソン

オーストラリアのクイーンズランド州北東部の熱帯雨林が主な生息地です。また、この地域の川の近くのマングローブ林や砂丘にも見られます。

ペットとして人気が高くポピュラーなカーペットパイソンになります。黒と黄色からなる体色がインパクトがあり美しいです。

平均全長は2m程度です。

・ニューギニアカーペットパイソン

オーストラリア外に生息する唯一のカーペットパイソンです。彼らの生息地はオーストラリアの北にあるニューギニア島で、この亜種は西のインドネシアと東のパプアニューギニアの両方の国で見られます。「イリアンジャヤカーペットパイソン」という名称でも販売されています。

体色はベージュから黄色で覆われており、黒い輪郭の茶色いバンドが全体にあります。

彼らは通常、乾燥したサバンナとユーカリの森に住んでおり、平均サイズは2.5m程度です。

コースタルカーペットパイソン

オーストラリアの非常に広い地域に生息している蛇で、ユーカリの森や熱帯雨林から、より人口の多い地域の建物まで多様な地域に生息します。
この亜種は、茶色からオリーブ、灰色まで野生で発見されているため、その外観も非常にバラエティに富んでいます。

比較的大きくなると言われており平均全長は2.5mです。

ジャガーやアザンティックなどのモルフが生み出されており、人気があります。

生態

食性は、飼育下ではマウスもしくはラットを与えれば問題ないです。大半の飼育者は爬虫類専門店などで販売される冷凍マウスや冷凍ラットを与えています。

他にもヒヨコやウズラなどの鳥も好んで食べます。

生息地はカーペットパイソンの種類によって異なるので、購入前に確認するようにしましょう。

大きさ

種によって異なりますが、大体2m程度のサイズになる大型の蛇です。販売されている個体はまだ小さなベビーが大半になります。オーストラリア原産の種が大半なためほとんど飼育下で繁殖された個体となります。

カーペットパイソンのモルフ

手入れのしやすさ、魅力的な外観、従順な性質から、カーペットパイソンは最も人気のあるペットのヘビの 1 つです。ヘビ愛好家やブリーダーは、モルフと呼ばれるさまざまな色のパターンを選択的に繁殖させてきました。

いくつか代表的なモルフを紹介します。

・ジャガー:レモンイエロー、オレンジの体色になる鮮やかなモルフです。

・ゼブラ:模様が細かく入るモルフです。ベビーの時は黒っぽい印象ですが成長に伴って明色部が明るくなります。

・アザンティック:黄色の色素が欠乏することでモノトーンになるモルフです。

他にも多種多様なモルフがあります。また、こういったモルフ同士を掛け合わせて新しいモルフを作出する動きも常にあり、常に新しいモルフが生み出されています。

ちなみに、お店で販売されているカーペットパイソンに「Het〜」という名前がついていることがあります。これはヘテロ、と呼び「表現としては出ていないが遺伝子としては保有している」状態を指します。例えばHetアザンティックとHetアザンティックを繁殖させると、25%の確率でアザンティックの特徴を持った子が生まれてくる、という仕組みになっています。少し難しい話になってしまいましたが・・繁殖を狙うのでなければ全く気にする必要はないです。

なお、モルフの金額は人気ではなくレア度によって変わります。なので綺麗だから高いというわけでもないのがカーペットパイソンの魅力でもあります。

性格

カーペットパイソンは基本的には大人しい性格をしているので、爬虫類の飼育初心者の方にもおすすめしやすい蛇です。
動きもゆっくりしているのでハンドリングも可能です。ただし、夜は餌を探して活発なことがあり手を入れると餌と間違えて噛まれることはあります。噛まれると痛いので気をつけましょう。また、大型の蛇になるので取り扱いには注意しましょう。

2.カーペットパイソンを購入しよう

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販売されている場所

・総合ペットショップ
・ホームセンター
・爬虫類専門店
・爬虫類イベント

総合ペットショップには爬虫類コーナーがあるところが多く、飼育用品や餌も販売されています。ただし、カーペットパイソンは少しマニアックな蛇ですので取り扱っていない可能性が高いです。

ホームセンターでも近年では爬虫類を販売しているところが増えています。しかし店員さんが爬虫類に詳しいかどうか、また飼育用品が充実しているかどうかはお店によるところです。ペットショップと比べると取り扱っている種類は少ないかもしれません。

初心者の方は爬虫類専門店で買うのをおすすめします。飼育に詳しい店員さんがいて飼育用品も揃ってあるので安心して購入できます。

また、専門店であれば様々なカーペットパイソンを取り扱っていることが多く、その中からお気に入りの一匹を見つけることができます。色々な生体を見た上で気に入った個体を購入するのが良いです。

爬虫類イベントではお店よりも安く爬虫類を購入することができます。イベントで購入する場合は、事前に飼育用品を揃えてセットしておくべきです。また混雑している場合は店員さんに話しかけづらいなどの心配点があります。

カーペットパイソンの値段

カーペットパイソンの値段は種類によって大きく異なります。

ジャングルカーペットパイソンで数万円、ダイヤモンドパイソンで20万円〜、というように幅があります。

高額な個体は取扱量が数が少ない場合がほとんどです。金額と見た目の美しさは関係がないのでお気に入りの一匹を探すのが良いです。また、同じモルフでも綺麗さによって値段は変化します。

3.カーペットパイソンの飼育に必要なもの

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出所)http://zoosafariusa.org/jungle-carpet-python/
ここからはカーペットパイソンの飼育に必要なアイテムを紹介していきます。
できれば生体を迎える前に揃えてセットしておくと、お迎え当日スムーズに家に連れて帰ることができます。
以下のものが飼育に必要になります。

・ケージ
・シェルター
・水入れ
・床材
・パネルヒーター

ケージ

カリフォルニアキングスネークの飼育には、小さい時は小型のアクリルケースで十分ですが、大きくなると90cmケージ・理想は120cmケージと言われています。成長に合わせて飼育ケースの容量をアップさせると良いでしょう。また、カーペットパイソンは樹上性の傾向も強いのである程度高さのあるケージにして、木を設置して立体活動ができるようにしましょう。

また、蛇は脱走の名人ですので逃げれないように蓋をしっかりと閉めるケージにしましょう。一度逃げると探すのが大変です。隠れるのはかなり上手なため一度逃げると室内でも数日見つからないことになります。

シェルター

落ち着かせるために隠れる場所を設置しましょう。飼育個体がとぐろを巻いた程度のサイズにして体が密着できるものが良いです。蛇は日中は日陰に隠れていることが多いため、シェルターはあった方が良いです。

水入れ

水入れは水を飲むという意味でも必要ですが、カーペットパイソンは水入れを設置するとその中に入ることがあります。蛇用の水入れ(蛇が入る穴が空いたプラスチックのケースなど)が販売されているので体の大きさに合わせて使用しましょう。

床材

湿度を保ちやすい素材のものがいいです。
床材には以下のようなものがよく使われています。

ヤシガラ保湿性が高く見た目もいいです。燃えるごみとして出せるのもメリットです。
爬虫類用ソイル保湿性が高く、バクテリアが繁殖してフンなどを分解してくれます。生体が良く湿ったソイルを踏んだあとケージ内が汚れてしまうことがあります。
ミズゴケ保水力や弾力性があります。前面に敷く場合は濡らしすぎなどに注意しましょう。
バークチップ園芸用で安く販売されており湿度や温度を保ってくれます。見た目も美しいです。
キッチンペーパーやペットシーツなどの紙類見栄えを気にしなければコストがかからず汚れたら頻繁に交換でき、床材として使えます。保湿性が低く、成体の誤飲の危険もあるのでよく観察しましょう。

蛇の飼育においては清潔に管理しやすいペットシーツがよく使用されます。見た目は少し悪くなりますが糞をした際に簡単に掃除ができるので便利です。

パネルヒーター

カーペットパイソンの多くはオーストラリアに生息する蛇なので寒い時期は冬眠させることもできます。ただ、飼育下での冬眠は失敗し生体が亡くなってしまうリスクがあります。それを避けるために常に一定の温度をキープしておいた方が安全です。

一番安価でお手軽な方法は、パネルヒーターをケージの一部に設置しましょう。

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床面の全面にパネルヒーターを敷いてしまうと、温度勾配がなくなり、カーペットパイソンが暑いと感じた時に逃げる場所がなくなってしまうため、ケージの半分ほどに当てるのが良いです。気温の目安は28℃〜30℃です。

 

4.カーペットパイソンの飼育方法

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出所)https://australian.museum/learn/animals/reptiles/diamond-python/#gallery-218-2

カーペットパイソンの餌は冷凍マウスか冷凍ラットです。爬虫類専門店などで販売されています。

蛇向けの人工飼料は存在しないため、基本的にはマウスかラットが必須になります。基本的には買い溜めをして冷凍庫にストックできるため便利ですが、家族がいる場合は事前に許可をとっておいた方が安全です。

また、生きたマウスやラットを与えることも出来ますが、反撃され噛みつかれるリスクもあるため、冷凍が良いです。野生個体では最初は食べない個体もいますが、繁殖個体であれば既に餌付けされているため問題なく食べてくれると思います。

冷凍の餌はお湯につけて解凍する、もしくは自然解凍をして与えるようにしてください。

餌やりは幼体の場合は週1〜2回、成長したら頻度を減らして月に2〜3回ほどが目安の頻度です。ただ、飼育環境や個体差によって異なるので様子を見ながら与えるようにしましょう。

飼育下では野生に比べ運動量が少なく、肥満になりやすい傾向にあります。体重を管理し、増えすぎないように管理しながら餌を与えるようにしましょう。鱗と鱗に隙間ができている場合は太り過ぎの可能性が高いです。

拒食について

カーペットパイソンは餌を食べなくなる時があります。

主な考えられる理由としては二つあり、一つは「餌に飽きた」場合です。いつも同じ冷凍マウスだと飽きてしまうといったことがあります。その場合は冷凍ラットを与えてみたり、活き餌を与えてみたりしてみましょう。

次が「季節性の拒食」です。温度の変化や季節の変化を敏感に感じ、冬になったと感じた時に餌を食べなくなる時があります。この際には餌をどのように与えても反応しません。しばらく様子を見て再度餌を食べるようになるのを待ちましょう。

いずれにしてもしばらく餌を食べないときは、体重を確認することをお勧めします。体重が減少している場合はトラブルの可能性が高いです。病院に行くことも視野に入れましょう。

ハンドリング

カーペットパイソンは大人しい性格のため、慣らせばハンドリングは容易にできます。
日頃ハンドリングに慣れておけばケージ内の掃除や体調の確認など、ストレスを与えることなく触れることができるので是非練習しておきましょう。

ハンドリングする際には生体を驚かせないよう優しく掴み、落ちないように手に乗せてください。
もし手の上から移動するようであれば無理に止めず落ちないよう自分も動きに合わせましょう。

ハンドリングは長時間を避け、生体の様子をよく見ながら行いましょう。

繁殖

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カーペットパイソンの飼育に慣れてきたら、繁殖にチャレンジしてみるのもいいでしょう。
性成熟の目安は3歳から4歳です。

また、繁殖させるためには「クーリング」が必要です。これは飼育下で冬を感じる温度にして冬眠させることで春に発情を促す作業になります。

クーリングなしでも発情する可能性はありますが、した方が確実です。そしてオスとメスの相性がよければ産卵してくれます。

1度に5~15個の卵を産むので、すぐに暖かい場所へ隔離し約2か月ほどで孵化します。

繁殖をさせる場合には生まれたベビーを飼育するのか、またどこかに譲るのかを決めておくなど計画的に行いましょう。

5.カーペットパイソンを飼ってみよう

蛇の中でも大型になる種類であるカーペットパイソンは、万人におすすめできる種類ではありませんが見た目が多種多様で美しく、飼育すれば眺めるだけで幸せな気分になれることは間違い無いです。

ただ、平均寿命は約20年と言われており、長生きする生き物です。
最後まで愛情を持ってお世話できるかどうかよく考えてからお迎えしてくださいね。

是非この記事を参考にカーペットパイソンの飼育にチャレンジしてみてください!
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