基礎知識

爬虫類は懐くのか?ハンドリングの際の注意点

初めて爬虫類を飼育するにあたり、ビギナーの方が気にすることの一つは、爬虫類は人間に懐くのかどうか、という点です。

せっかく一緒に暮らすのですから、できれば懐いて欲しいし、一緒に遊んだりもしたいと思うのは当然かと思います。実際、ネット上では飼い主によく慣れ、懐いているように見える動画や写真が多く見られます。爬虫類を懐かせることは可能なのでしょうか?

今回の記事では、「爬虫類は人間に懐くのか」という点にスポットを当てて行きます。

  • 爬虫類は懐くの?
  • 懐かせる方法はある?
  • 爬虫類に触りたい場合はどんなことに注意すればいい?

こんな疑問にお答えしていきます。

爬虫類は懐くのか - 爬虫類は懐くのか?ハンドリングの際の注意点

 

爬虫類は懐くというより慣れる生き物

結論からいうと、爬虫類が犬や猫のような哺乳類のように懐くのはかなり稀なケースです。「懐くよりは、飼い主の存在に慣れる」というのが正しい認識でしょう。

爬虫類で一般に「入門種」とされている種類は、好奇心旺盛だったり、陽気で温和な性格の種が多いです。

しかし、だからといって哺乳類のような親愛に満ちたコニュニケーションが取れるかというとはなはだ疑問です。

爬虫類飼育者やショップのいう「人慣れした個体」という言葉は、よく懐いているというより、飼育する上で身体的接触を嫌がらない個体、という程度の認識です。

もともと警戒心が強い種や、過去に人間に怖い思いをさせられた個体は、慣らすこと自体が難しい場合もあります。

体調の変化や発情期の到来など、慣れていた個体が急に触らせてくれなくなるケースも存在します。

 

哺乳類のように懐くことは稀

先ほど紹介した通り、爬虫類を哺乳類のように懐かせることはあまり期待できません。

飼い主との接触を求めて甘えてきたり、猫のように一緒に寝たりするのは難しいでしょう。

動画サイトやSNSなどでは、飼い主に頭を撫でられた爬虫類がうっとりしていたり、雑に扱われてもされるがままになっている様子が紹介されていますね。

爬虫類を飼育するならご注意いただきたいのですが、爬虫類は嫌な事を我慢する場合に、体を硬直させて動かなくなったり、目を閉じてやり過ごす習性があります。

必ずしもネット上の爬虫類達が嫌がっているとは限りませんが、自宅の爬虫類に同じように接すればストレスを与えてしまう可能性が高いです。

 

一定のコミュニケーションを取ることはできる

夢のないことを書きましたが、食事を通して一定のコミュニケーションを取ることは可能です。

新しく迎えた爬虫類の警戒心を解くには、飼い主との関わりを食事と関連付けることが必要です。長く人と暮らし、人の手で食事を与えられてきた爬虫類達は、程度の差こそあれ、徐々に人を怖がらなくなってきます。

よく慣れた個体であれば、飼い主が飼育部屋に来たことを察知してシェルターから顔を出したり、給餌の準備を始めるとケースの壁を掻いて餌をねだることもあります。

これらの行動は、「餌=飼い主」という認識から取るものですので、人によっては寂しさを感じる方もいるかもしれません。

ですが、長く飼育してきた爬虫類達が飼い主を認識しアクションを起こしてくれるのは、飼育者にとっては何より嬉しいことなのです。

爬虫類は懐くのか2 - 爬虫類は懐くのか?ハンドリングの際の注意点

 

爬虫類に触りたい場合はどうすれば良いか

ここまで、爬虫類が人間に懐くのは稀なケースだとお伝えしてきました。では、爬虫類には触らない方が良いのかというと、そうとも言えないのです。

爬虫類を飼育する上では、

  • 体重の計測
  • 健康のチェック
  • 性別の判定

など、様々な理由で爬虫類に触ることが必要となるためです。

日頃から飼い主との接触に慣れていない個体だと、病院に連れて行く時に大暴れしたり、健康状態のチェックも難しいという状態になりかねません。

気が荒く負傷の可能性がある個体や、人間の接触にトラウマのある個体の場合は無理をする必要はありません。ですが、可能であれば定期的に爬虫類の体に触り、人間が触れることに慣れさせておくと良いでしょう。

爬虫類に触る際の注意点

基本的に爬虫類は人間に触れられることを望みません

あまりにも長い間の接触は彼らにとってもストレスになります。爬虫類との接触(ハンドリング)は、生体にストレスを与えない方法で行うのが望ましいです。

具体的には、

  • ハンドリングは短時間にする
  • 後ろからいきなり掴まない
  • 体を無理やり拘束しない

ということを意識しましょう。

また、爬虫類の多くは上から頭を触られることを嫌がります

この習性は、野生下の天敵である猛禽類が、狩りをする時頭を掴んでさらって行くことに由来すると考えられます。

爬虫類のハンドリングを行うときは、視界に入るところからゆっくりと手を伸ばし、そっとすくい上げるように持ち上げましょう。

生体はなるべく地面に近い場所でハンドリングをするのが基本です。急に動き出して落下した時、その衝撃で怪我をしないように気をつけてください。

 

まとめ

以上、爬虫類達への接し方について解説しました。

爬虫類は、基本的には飼い主が触ることを好まず、感情豊かな哺乳類ペットのような触れ合いは難しい動物です。犬や猫のように可愛がりたい方には不向きなペットかもしれません。

ですが爬虫類には爬虫類にしかない魅力があります。適切な環境と飼育方法で美しく育った個体は、飼育者にとって何よりも大切な宝物です。

大切なのは、飼育者が求める接し方が可能かどうか事前に確かめることです。自分では判断できない場合は購入時にショップに確認することをおすすめします。

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