ブラッドパイソンはニシキヘビの一種で、体長は短いものの太い体型が特徴的なヘビです。
とてもかっこよくてヘビ愛好家の方なら一度は飼ってみたいヘビですよね。
今回は、ブラッドパイソンの生態から飼育方法まで、初心者の方にも分かりやすく説明していきます。
ブラッドパイソンに興味があって詳しく知りたい方や、ブラッドパイソンを飼ってみたいと思っている方はぜひ最後まで読んでくださいね!
目次
ブラッドパイソンの生態は?
ブラッドパイソンは
爬虫網有隣目ヘビ亜目ニシキヘビ科ニシキヘビ属
に属するヘビです。
ブラッドパイソンには
- マラヤンブラッドパイソン
- スマトラブラッドパイソン
- ボルネオブラッドパイソン
の3つの亜種があり、この中でも一番よく見かけるのはマラヤンブラッドパイソンです。
もともとはマレーシアやインドネシアなど、東南アジアに生息しているヘビなので温かい環境を好みます。
太さの割に体長が短めなブラッドパイソンですが、平均的な体長はマラヤンブラッドパイソンだとメスで180㎝、オスで150㎝です。
最大では270㎝ほどの大きさで、スマトラブラッドパイソンとボルネオブラッドパイソンはマラヤンブラッドパイソンより全体的に少し短めだといわれています。
また、特徴的な「太さ」ですが、アダルトのブラッドパイソンだと成人男性の太ももとほぼ同じ太さになります。
ブラッドパイソンの特徴は?
ブラッドパイソンの一番の特徴はやはり前述した「太さ」ですが、それだけではありません。
ブラッドパイソンの魅力的な性格や、様々なモルフについて説明していきます。
荒々しい性格とド迫力
ブラッドパイソンは比較的荒々しい性格なので、コーンスネークやボールパイソンなどの大人しいヘビと比べるとハンドリングがし辛いです。
空腹時などは特に噛みついてくることが多く、ブラッドパイソンの強い顎で噛まれると出血してしまいます。
最近はブリード個体も増えてきているため、全てのブラッドパイソンが凶暴というわけではありませんが、ハンドリングしたい場合はベビーの個体を迎えて小さいうちにハンドリングに慣らせるといいですよ。
また、太く短い体型と荒々しい性格からかなり迫力のあるヘビなので、そんなかっこよさに魅了される方も多いようです。
いろいろなモルフ
コーンスネークなどよく飼われているヘビほど多くの種類はありませんが、ブラッドパイソンにもモルフが数種類あります。
代表的なブラッドパイソンのモルフは以下の5種類です。
- アイボリー
- アルビノ
- バンカレット
- バティック
- フルブラック
- ハイブリット
それぞれのモルフの色や特徴は以下のようです。
アイボリー
アイボリーはマラヤンブラッドパイソンで見られるモルフです。
マラヤンブラッドパイソンはもともと赤色が強いブラッドパイソンですが、このアイボリーは赤色の印象が少なく全体的に白色がかったモルフです。
アルビノ
アルビノはどの爬虫類のモルフにもある、色素が薄いモルフですね。
ブラッドパイソンでのアルビノは、マラヤンブラッドパイソンの赤色が薄くなり全体的に黄色くなったモルフです。
アルビノといえば黒い色素が欠損することによる「赤い目」が印象的ですが、遺伝子の組み合わせによっては「体は全体的に薄く黄色いものの目が黒いアルビノの個体」もいます。
バンカレット
バンカレットはマラヤンブラッドパイソンに特徴的な赤色が強烈なモルフです。
太い体型だけでも魅力のあるブラッドパイソンですが、色が強い赤だとさらに迫力が増しますね。
バティック
バティックは色で見分けられるモルフというよりも、模様が特徴的なモルフです。
少しヒョウ柄に近い模様で、白や茶色の中に黒い斑点がまばらにあります。
インドネシアの染め物でみられる模様のようだといわれており、いかにもジャングルに居そうなヘビです。
フルブラック
フルブラックはその名の通り、全身が真っ黒のモルフです。
全体的に黒色が多くみられるスマトラブラッドパイソンのモルフで、ツヤのある漆黒が印象的です。
ハイブリット
ハイブリットは、基本的に違う種類のパイソン同士を掛け合わせた個体なので、見た目は様々です。
ブラッドパイソンはボールパイソンと掛け合わせることが多く、掛け合わせる個体によっていろいろな色や模様の個体が生まれます。
ブラッドパイソンの値段は?どこで売ってる?
ブラッドパイソンの値段はモルフによって大幅に変わります。
一般的なブラッドパイソンの値段は50,000円ほどで、安い個体なら20,000円ほどで入手できます。
珍しいモルフだと値段は高く、150,000円ほどで売られています。
飼いやすい他のヘビと比べると販売数が少ないため、普通のペットショップではなかなか見つかりません。
爬虫類専門店などでブラッドパイソンを扱うお店を探しましょう。
最近は爬虫類カフェで生体販売を行っているお店もあるので、そういうお店で実際の触れ合ってから購入を検討するのもいいと思います。
ハンドリングしたい方はできるだけブリード個体を選びましょう。
ブラッドパイソンの飼育環境を整えよう!
ブラッドパイソンの飼育を始めるにあたって、まず大切なのは飼育環境を作ってあげることです。
ブラッドパイソンの飼育に必要なものは以下の5つです。
- ケージ
- 床材
- 水入れ
- ヒーター
- エサ
一つずつ詳しく説明していきます!
ケージ
ケージはブラッドパイソンの住処となる場所です。
ブラッドパイソンは地表性のヘビなので登り木などは必要ありませんが、十分に動き回れるような広さが必要です。
アダルトのブラッドパイソンであれば少なくとも120cm×60cm以上のケージが望ましいです。
このくらいのサイズとなると市販のものではなかなか見つけられないので、オーダーメイドで注文したり、自分で作ったりする方がいいかと思います。
そこまで大きくないベビーの個体でしたら、人に慣れてもらうためにもその時の体長にあった市販の爬虫類用ケージなどを使いましょう。
まだ大きくないベビー時から広いケージで飼育する場合は、爬虫類用のシェルターを入れて安心できる場所を作ってあげてください。
狭いケージだとブラッドパイソンの筋肉による圧力で破壊されてしまったという話もよくあるため、「広くて頑丈」なケージが理想的ですね。
また、ケージに高さは特に必要ありません。
床材
床材はケージの床に敷くものです。
床材は水苔やペットシーツを使っている方が多いです。
水苔のメリットといえば湿度が保ちやすいことです。
ブラッドパイソンは高湿度な環境を好むため、乾燥が特に厳しい冬や、まだ湿度に弱いベビーのブラッドパイソンには水苔がおすすめです。
ただ、デメリットとしては湿度が高い分、菌などが繁殖しやすいため糞や尿はこまめに掃除してケージ内を清潔に保つように心がけましょう。
ペットシーツはアダルトの個体に向いた床材です。
ペットシーツの最大のメリットは交換が簡単にできることであり、体が大きくて糞や尿の量が多いアダルトにおすすめです。
特に荒々しい性格で噛みついてこようとする個体には、手短に交換できるペットシーツを使いましょう。
水入れ
水入れは、高い湿度を好むブラッドパイソンには必須のものです。
ケージを高湿度に保つためにも水は常にたくさん入れておきましょう。
さらに、ブラッドパイソンは水浴びが大好きで水入れで水浴びをするため、ブラッドパイソンの体全体が入るような大きめの容器を用意してください。
材質が固いものを使うと破壊されてしまう恐れがあるため、プラスチック製のタッパーなど柔軟性のあるものを使うことが多いです。
また、ケージと水入れの間に隙間があると、そこに入り込んでケージを壊してしまうため、ケージの幅にできるだけぴったりしたものを選びましょう。
ブラッドパイソンは水入れの水を飲み水として飲むため、毎日新鮮な水に取り換えてくださいね。
糞や尿を水入れですることもあるため、清潔に保ってあげましょう。
ヒーター
暖かい温度を保つためにヒーターを使いましょう。
遠赤外線ヒーターや暖突など、多くの種類があるのでケージに設置しやすいものなどを選びましょう。
夏はパネルヒーターだけでも大丈夫ですが、冬はそれだけだと寒いので暖突を併用するといいと思います。
ヒーターはケージの床の1/3~1/2を覆うくらいの大きさのものを選んで、ブラッドパイソンが自分で温度調節できるようにしましょう。
また、温度は暖かいところで30℃を保ち、ヒーターではないところで25℃以上が望ましいです。
特に冬は温度管理をこまめにチェックしましょう。
エサ
ブラッドパイソンは肉食で、基本的にはマウスや冷凍ラットを与えます。
大きさの目安はブラッドパイソンの頭部よりも少し小さいくらいのサイズで、個体の成長に合わせてエサの大きさを選んであげましょう。
個体によってはもっと小さいエサが好きだったりと好みがあるので、様子を見ながら工夫して与えてください。
ベビーの時期は週に2回ほどエサを与えましょう。
アダルトのなってからは肥満防止のため、3週間に1度で大丈夫です。
冷凍ラットは40℃のお湯に冷凍ラットを浸けて解凍し、水気を拭いてから与えてください。
噛みつかれないように丈夫な皮手袋でラットを持ち、ブラッドパイソンの目の前で振ってあげると食いつきます。
ブラッドパイソンの飼育方法は?
飼育方法はそんなに難しくなく、
- 温度・湿度管理
- こまめな掃除
- エサ
をしっかり管理してあげれば大きな病気になることはありません。
ハンドリングが難しいヘビですし、触りすぎは逆にストレスとなってしまうので基本は放置で大丈夫です。
湿度は常に70%、温度は25℃~30℃を徹底して20℃は下回らないようにしてあげましょう!
まとめ
ブラッドパイソンの飼育に必要なものは多くありませんし、温度と湿度をしっかり管理していれば飼育方法も難しくはありません。
荒っぽい性格なのでハンドリングは難しいブラッドパイソンですが、迫力満点でかっこいいヘビを飼ってみたい方にはおすすめです。
ブラッドパイソンの飼育を考えている方はぜひ参考にしてください!